2013年07月10日

日清オイリオグループ 第5回在宅介護事情調査 夏場の介護、体調変化が招く低栄養に要注意 ~要介護者の7割に体調変化、4割に食事量の低下が~

日清オイリオグループ株式会社   http://www.nisshin-oillio.com

日清オイリオグループ株式会社(社長:今村隆郎)は、トロミ調整食品などの高齢者・介護対応食品を製造・販売しております。
このたび、定期的に行っている在宅介護事情調査の第5弾として、在宅介護されているご家族100名を対象に『要介護者に見られる夏場の体調変化』について調査を実施いたしました。

調査の結果、夏を迎えると、要介護者の7割以上に何らかの体調変化が現れ、4割以上が食欲不振に陥っている現状が明らかになりました。
食欲不振による食事量の低下は、様々な栄養素が不足し、低栄養を招く可能性があります。夏本番を迎えた今、在宅介護では食欲不振による低栄養に注意する必要がありそうです。

●要介護者の7割以上が体調変化を訴える

夏を迎えると、要介護者に何らかの体調変化が見られるか、という質問では、およそ7割以上が「体調変化がみられる」と回答しました。その内訳は、「ぼんやりとしていることが増えた」(27%)、「食欲が落ちた」(26%)、「便秘や下痢が増えた」(20%)、「体重が減った」(16%)などが上位を占めました。【図1】

●食生活での変化、食欲不振に陥る要介護者が4割以上!食事内容にも変化が

夏場に見られる食生活の変化の第1位は「食が進まず、食事量が減った」(43%)、次いで「歯ごたえのある食材を避けるようになった」(24%)、「食事が偏りがちになった」(23%)、「水分が多い食事(汁物含む)を好むようになった」(23%)と続き、食欲不振に陥るだけでなく、食事内容にも変化が見られました。【図2】

●介護に携わるご家族の8割以上が、食べやすさを考慮した食事作りを実践

夏場の食事作りで工夫していることの第1位は「消化が良い料理を作る」(47%)、「のどごしの良い料理を作る」(47%)、次いで「こってりとした料理を避け、さっぱりとした料理にする」(25%)、「なるべく汁物が多い献立にする」(19%)と続き、食べやすさだけでなく、不足しがちな水分を考慮した食事作りを実践している現状が明らかになりました。【図3】

●夏場の注意点、食欲不振に対する意識は低い – 過去4年の比較

夏場の在宅介護で注意したいことについて、過去4年の調査結果を比較したところ、熱中症や水分補給などの暑さ対策に関する項目が毎年高い一方で、食欲不振を注意しているご家族は低い傾向にあることが分かりました。【図4】

≪専門家のコメント≫
髙田 和子(たかた かずこ)
独立行政法人 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部
栄養ケア・マネジメント研究室 室長

女子栄養大学 栄養学研究科修士課程修了
女子栄養大学助手、国立健康・栄養研究所 技術補助員、科学技術庁科学技術特別研究員、長寿科学振興財団リサーチレジデント、国立健康・栄養研究所 健康増進研究部 主任研究員を経て2011年6月より現職

「夏の暑さによるわずかな体温の上昇は、食欲の低下を招きます。また、軽い脱水症でも汗をかきにくくなり、体温の調節や消化液の分泌などが悪くなります。まずは、こまめな水分補給と室温の調整を行い、脱水症と食欲低下の予防をしましょう。食欲の低下により様々な栄養素の摂取量が減少すると、体力や抵抗力が低下します。夏には、誰でも食事量が減りがちですが、要介護者はもともとの体力が低いので、食事量の減少による体調不良の影響が大きく、涼しくなってからでも回復が遅くなります。食事量が減少する時には、エネルギーやたんぱく質などが強化された食品を活用して栄養素を補い、低栄養を予防することも必要でしょう。また、体重は食事量や水分摂取量の過不足を評価するための大切な目安です。要介護者の健康管理のために、日頃から体重測定を行うことを心掛けてください。」

≪調査概要≫

■調査実施日 :2013年6月14日(金)~6月17日(月)
■調査方法 :インターネット調査
■調査対象者 :60歳以上の要介護者を在宅介護されているご家族100名

低栄養に関するニュースレターをダウンロードいただけます

日清オイリオグループ株式会社では、介護に携わる方に関心を持っていただきたい事柄について専門家にインタビューを行い、その内容を取りまとめたニュースレターを発行しています。
今回コメントを頂戴した髙田和子先生にご監修頂いたニュースレターを、以下URLよりダウンロードいただけます。

シニアライフに関する
Newsletter No.2

高齢期を迎えた団塊世代「食生活で健康寿命を延ばす」

厚生労働省により示された健康寿命と平均寿命のギャップを受けて、高齢者の栄養ケアと食生活に着目し、健康寿命を延ばすための食事のポイントなどについて紹介。(2012年11月29日発行)
http://www.nisshin-oillio.com/goods/support/pdf/letter_2.pdf

【図1】
要介護者にみられる夏場の体調変化

「夏を迎えると、要介護者に何らかの体調変化が見られますか?」(n=100,MA)という質問に対し、およそ7割以上が「体調変化がみられる」と回答しました。

【図2】夏場に見られる食生活の変化

「夏場に見られる食生活の変化について、当てはまるものすべてをお選びください」(n=100,MA)という質問に対し、4割以上の人が「食が進まず、食事量が減った」(43%)と回答しました。また、「歯ごたえのある食材を避けるようになった」(24%)、「食事が偏りがちになった」(23%)、「水分が多い食事(汁物含む)を好むようになった」(23%)など、食欲不振に陥るだけでなく、食事内容にも変化が見られることが明らかになりました。

【図3】食事作りの工夫点

「夏場の食事作りにおいて特に工夫していることは何ですか?」(n=100,MA)という質問に対し、「消化が良い料理を作る」(47%)、「のどごしの良い料理を作る」(47%)、「こってりとした料理を避け、さっぱりとした料理にする」(25%)など、食事作りにおいて様々な工夫をされていることが分かりました。

【図4】夏場の在宅介護における注意点

夏場の在宅介護で注意したいことについて、過去4年の調査結果を比較したところ、熱中症や水分補給などの暑さ対策に関する項目が毎年高い一方で、食欲不振を注意しているご家族は低い傾向にあることが分かりました。

≪リリースに関するお問合せ先≫
日清オイリオグループ株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報・IRグループ
TEL 03(3206)5109
〒104-8285 東京都中央区新川1-23-1
URL http://www.nisshin-oillio.com