2014年07月18日

コニカミノルタがキナクシスの「RapidResponse」を活用することで、経営判断を支援し、 事業貢献を実現するS&OP/SCMソリューションを構築 高速なレスポンス、幅広い標準機能が採用のポイント、 PSI精度の向上と大幅な効率化を実現

キナクシス・ジャパン株式会社   http://www.kinaxis.co.jp/

2014年7月18日(金)東京発 ― 柔軟性の高いクラウドベースのSCM(サプライチェーンマネジメント)、およびS&OP(セールス&オペレーションプランニング)ソリューションの「RapidResponse(R)」を提供する、Kinaxis Inc.の日本法人であるキナクシス・ジャパン株式会社(以下キナクシス)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子 敏也)は本日、複合機や複写機、プリンタをはじめとする情報機器事業を中心に、産業用材料・機器事業、ヘルスケア事業など幅広く高品質な製品とサービスを展開するコニカミノルタ株式会社(以下コニカミノルタ)が、自社のSCMソリューションにキナクシスのRapidResponseを導入したと発表しました。

コニカミノルタにおけるSCM導入への取り組みは2000年頃から始まり、2003年には連結のPSI(生産・販売・在庫計画)が管理できる計画系システムを構築しました。さらに、2008年にはそれを発展させ、「一元管理型SCM」と呼ばれる新たな仕組みを導入し、情報機器本体とオプション、消耗品のPSIを台数ベースで一元管理するシステムと運用プロセスを構築しています。以来、一元管理型SCMは製品の安定供給に貢献するシステムとして稼働してきましたが、利用される中でいくつかの課題も出てきていました。

コニカミノルタのSCMセンター SCM企画グループ グループ長の太田登(おおた のぼる)氏は、「当時の一元管理型SCMは台数ベースの管理であったため、需給調整によって台数を変動させたとしても、それが事業収益にどれだけの影響を与えるかが見えないという課題がありました。そこで事業収益への影響を可視化して経営判断へとつなげるSCMの必要性が議論され始めたのが2011年6月頃のことです」と振り返っています。

この取り組みにあたり、課題は他にもありました。まず1つが、PSI計算が週単位であったことが挙げられます。収益見通しのために週単位PSIを月次集計しても歴月とは誤差が生じます。また、PSI計算の根拠となる輸送LTなど設定値も週単位となり実際とは異なり誤差要因となります。2つ目としてPSI計算では実績反映を行っていなかったため日々の変化に迅速に対応することも困難でした。さらにシステムの複雑化も大きな問題となっていました。一元管理型SCMは需要予測のためのDFシステムや見える化のためのBIシステムなど、各機能に特化した5つのシステムを連携する形で構築されていました。そのためSCMスコープの拡大・機能拡張に伴うシステムの煩雑化やレスポンスの悪化が生じていたほか、システムごとに担当SEが必要となり運用面でも非効率な状態となっていました。

これらの課題を解決し、S&OP(事業連携強化型SCM)へと改革するために、台数から金額ベースの管理に置き換えること、週単位から日単位の計算が可能なSCMに変更するということに加え、3つの要件が求められました。1つ目が計画系と実行系の統合でした。太田氏は「生産や輸送などは必ずしも計画通りに進むとは限りません。実績を反映して実態を見せることができるシステムを構築するために、計画系と実行系のシステム統合が必要でした」と語っています。2つ目が予算とPSI管理の統合です。これはSCMシステムをPSI計算だけに利用するのではなく、システムの中に予算を立てる仕組みを構築するというものです。PSIで設定するさまざまな設定値やリードタイム、安全在庫などの数値を活用することで予算作成の精度を向上し、予実の比較検討も正確に行うことができるシステム構築が目標とされました。3つ目がシステムの統合です。5つのシステムを統合することでシステム部門に必要なスキルを1つに絞り、さらにユーザがPSIを確認する時間短縮も実現するという目的です。

これら要件をもとにSCMシステムの選定が行われ、新たなS&OP/SCMソリューションとして採用されたのがキナクシスの「RapidResponse」でした。RapidResponse選定の理由を太田氏は「1つのシステムで私たちの望むSCM機能の多くを実現できるというのが第一です。さらに、日単位計算・金額換算など処理量が増大する要件に対してインラインメモリを活用することで構造的にレスポンスを高速化する仕組みを持っていたことも魅力でした。コストパフォーマンスについてもこれだけの機能を実現するソリューションとしては納得のいくものでした」と話しています。特にRapidResponseが持つ標準機能が幅広く、あまりカスタマイズせずに利用できることは採用の大きな決め手になったと太田氏は述べています。

2012年4月、新SCMの構築がスタートし、構築時の苦労について太田氏は次のように語っています。「もっとも苦労したのはユーザテストの部分です。もちろん、社内では設計時からユーザの声を集め、使い勝手や機能などを作り込んでいますが、実際に触ると異なる部分も出てきます。そこで簡単なプロトタイプを作成し、構築の早い段階からユーザに触ってもらって、その意見を取り入れる工夫を行ってきました。」

2013年8月、RapidResponseを活用したシステム構築は完了し、本社と日米欧の販社、日中をはじめとする生産拠点を結ぶ新たなグローバルSCMが稼働を開始しました。導入の効果を太田氏は次のように挙げています。「5つのシステムを1つに統合することで、運用に必要となるスキルを絞れたのは大きな効果です。ハードウェアや運用の人員、サポートコスト面からも良い効果が出ています。それから、週単位の計算から日単位に変わったこと、輸送などの実績が反映できるようになったことで、PSIの精度が格段に上がったというユーザからの評価の声も多く集まっています。」レスポンスに関しても「例えばPSIデータをダウンロードする時に、従来のシステムでは2時間くらいかかったのですが、RapidResponseでは数分で落とせるようになりました」と太田氏は想定していた以上の効果を評価しています。

今後の展望については、「現在までに完成しているPSI計算、実績反映という部分はステップ1という位置付けです。ステップ2では予算とPSI管理の統合を、ステップ3では生産制約の見える化を実現していきます。今後もRapidResponseの活用により、事業連携強化、S&OP運用プロセスの整備を進めていきます。また、今回のSCM改革プロジェクトは情報機器事業が対象でしたが、他のセクション、コーポレート全体のSCM改革の話も始まっていますので、そちらも進めていきたいと思います」と太田氏は結んでいます。

【キナクシスについて】
キナクシスは、複雑なサプライチェーンネットワークを形成し、変動の激しいビジネス環境にあるディスクリート(個別生産/組立生産)型の製造業者やメーカーに対して、クラウドベースのS&OP/サプライチェーンソリューションを提供しています。RapidResponseは、航空宇宙/防衛、自動車、ハイテク、工業、ライフサイエンスなど、あらゆる業種の著名な企業に採用されており、ビジネスの各部門にわたる同時計画、パフォーマンスの継続モニタリング、そして計画差異に対する調整対応に利用されています。業態に合わせて柔軟なサービスを提供するRapidResponseのソリューションは、S&OP、供給計画、容量計画、需要計画、在庫管理、MPS、受注処理といった各分野を含め、サプライチェーンに関わるビジネスプロセスに全方位で対応しています。多くの顧客はRapidResponseを導入した結果、これまで使用していた多様なプランニング/パフォーマンス管理ツールをリプレースし、計画サイクル、サプライチェーンのレスポンスタイム、判断精度において、オペレーションパフォーマンスの画期的な改善を図ることに成功しています。また、─
BRapidResponseのシングルプロダクトの特性を生かし、広範なサプライチェーンの条件のモデリングが容易となり、共同作業により迅速かつステークホルダとビジネス目標を共有しながら、長期およびリアルタイムでの需給バランスの判断が下せるようになっています。

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