ハイランドソフトウェア(本社:米オハイオ州ウェストレイク、代表:Bill Priemer)が提供するオープンソースECMプラットフォーム「Alfresco」が、NASAラングレー研究所に採用されましたのでお知らせいたします。
NASA ラングレー研究所は、航空機や宇宙船の安全性や効率を向上させるため、毎年数百件もの試験を実施しています。このような試験は、エンジニア、研究者、技術者、管理者、顧客などさまざまなチームにより行われるため、アイデアの共有や、試験結果の確認など、チーム間での緊密なコラボレーションが求められます。
そこでNASAはコラボレーション用ポータル、aeroCOMPASSを独自に開発しました。ラングレー研究所では aeroCOMPASSで各チーム用サイトを作成し、文書やメモ、その他の研究用ファイルを共有したりコメントを追記したりしていました。しかし、それから10年が経つ頃、aeroCOMPASSソフトウェアは時代に追いつけなくなってしまいました。このソフトウェアでは、NASAの厳格なセキュリティガイドラインに対応できなくなったのです。
NASAは800以上のサイトを使用していましたが、aeroCOMPASSをコラボレーションと文書管理のための新たな環境に移行する必要に迫られました。しかも、移行後も従来通りの使用感を維持しつつ、セキュリティが強化された最新のアーキテクチャを導入しなければなりません。
ソリューション
NASAはAlfrescoを導入し、aeroCOMPASSの使用感はそのままに、セキュリティや機能を強化したコラボレーション用チームサイトを実現しました。個人用ダッシュボードを活用すれば、各プロジェクトのサイトに追加された新しい文書や画像、動画に加え、チームメンバーひとり一人の取り組み内容を簡単に確認することができます。また、チームのサイトではアイテムや活動のリストを作成し共有することが可能です。
NASAのIT部門は、オープンソースであるAlfrescoのソフトウェアコードを基盤にプラットフォームを簡単にカスタマイズして、独自のニーズにも対応しています。たとえば、ユーザーインターフェイスをカスタマイズして従来と同様の操作性を得ることで、短期間で簡単に新しいプラットフォームをユーザーに浸透させることができました。
AlfrescoとNASAのOpenSSO/OpenAM認証システムを連携させており、シングルサインオンでAlfresco aeroCOMPASSのサイトにアクセスできます。NASA ラングレー研究所の外部のユーザーをチームのサイトに招待する際は、NASA のアカウント管理システムや認証技術を活用します。これにより、機密情報にアクセスするユーザーに適切なセキュリティ権限を付与することで権限を持つユーザだけが機密情報にアクセスするように制限できます。
NASAは、Alfresco を機密情報の管理には使用していないものの、「機密性が高いが機密指定されていない情報(SBU)」にあたるデータの管理に活用しています。これらのサイトでは、管理者が特定のページをカスタマイズして「SBU」という黄色のバナーを追加することで、閲覧しているのが機密情報であることをユーザーに通知します。
NASA ラングレー研究所の主任ITアーキテクトを務めるDave Cordner氏はこう語ります。「管理者がサイト単位でカスタマイズできる機能は非常に有用だと感じています。ユーザーは何百というサイトを利用し、常にあちこちのサイトを移動していますが、こうしたカスタマイズ機能があれば、現在どのサイトを利用しているかをユーザーに知らせることができます」
結果
研究所が利用するAlfrescoのリポジトリ内のドキュメントライブラリには、現在2.5TBの情報が保管され、400名超のユーザーがプラットフォームにアクセスしています。2年前に初めてシステムを導入して以来、ユーザー数が20%増加しました。
Cordner氏はこう話します。「システムには、研究者、Lockheed Martin社のエンジニアなどさまざまなユーザーがアクセスし、チームとして業務を進める必要があります。システムにアクセスすれば、あらゆる文書や研究結果をいつでも確認することができます」
Alfrescoを利用する大きなメリットは他にもあります。オープンソースのプラットフォームが備える柔軟性とライセンスモデルのおかげで、管理者はユーザーを個別に管理する必要がないという点です。これにより時間を節約できるだけでなく、ユーザーは必要に応じていつでも共有のコンテンツにアクセスできます。
「ユーザーを個別に管理する必要がない点は大きなメリットです。活動の繁忙期にはユーザー数を増やして、サポートパッケージをアップグレードすることも簡単です」とCordner氏は語ります。
将来的には、Alfrescoプラットフォームとモバイル技術を連携させてリモート機能を強化し、iPad、iPhone、Androidタブレットなどのモバイル端末からもアクセスできるようにする予定です。NASAの現在のシングルサインオン環境や認証プロセスでは、Alfrescoのモバイル機能を活用することができないためです。
Cordner氏は次のように言います。「当研究所のエンジニアや研究者がAlfrescoを日常的に活用するのは、チーム間でコラボレーションしやすいからです。個人用のファイルはデスクトップに、チームのドキュメントはAlfrescoに保存することで管理がシンプルになり、全員の生産性を向上させることができます」
Alfrescoとは
Alfrescoは世界初のオープンソースECM(Enterprise Content Management、エンタープライズコンテンツ管理)製品です。社内外に存在するあらゆるコンテンツを一元管理することができ、Webを通じて安全に共有することができます。
Alfresco https://www.alfresco.com/jp/
【主なECM機能】
・社内のコンテンツを最大限に活用
文書が紙の書類であったり、ラップトップ、USBスティック、Eメールやネットワークドライブ、または、さまざまなリポジトリやファイル共有サイトなど複数の場所に保存されていたりすると、収拾がつかなくなります。こうしたコンテンツサイロが多数あると、業務効率が低下するだけでなく、情報セキュリティのリスクも高まります。最新のオープンソースベースの文書管理システムはすべてを変えます。
Alfrescoの文書管理ソフトウェアを使用すると、コンテンツをシームレスな情報ガバナンスと効果的なGDPRコンプライアンスで管理でき、ビジネス上のメリットを目の見える形で実現します。世界トップクラスのエンタープライズ文書管理システムでサイロ化を解除したり、どこからでも生産性を向上させたりなど、多く機能を備えています。
・紙の書類を生きたデータに変換
業務に関わる情報の80%以上は、紙の書類、オフィスのファイル、フォーム、ファックス、PDF、Eメールなど、階層構造を持たないコンテンツに閉じ込められています。Alfrescoなら、こうした価値ある情報を抽出して処理できるようにし、ビジネスプロセスやコンテンツ管理のインサイトとして活用できます。これで、紙の書類による非効率的な業務を、データや文書の自動フローに切り替えることができるため、従業員の生産性やサービスの質、そして法令遵守も改善されます。
・AIを活用したインテリジェント文書認識
膨大なビジネス情報の処理に追われる企業の多くは、全社規模でのコンテンツ管理、自動化の推進、そして事業を前進させるために必要なインサイトの抽出を可能にする方法を模索しています。そこでお勧めなのが、次のインテリジェント文書ソリューションです。Alfresco Intelligence Servicesは、Amazon Textract、Amazon Comprehend、Amazon Rekognitionのようなアマゾンウェブサービス(AWS)のAIや機械学習を活用して自動的にコンテンツを充実させ、実用的なインサイトを得るための拡張性に富んだ方法を提供します。これらのソリューションにより、貴重なインテリジェンスを自動的に抽出して、固有のビジネスニーズに対応し、情報に基づいた意思決定を迅速に行うことができます。
・Microsoft 365やGoogle Docsとのクラウド連携
・徹底した情報セキュリティ、ガバナンス管理
ハイランドは1991年に米オハイオ州で設立され、ヘルスケア・教育・金融サービス・保険などの業界や、政府機関などを中心にECM/CSサービスを提供してまいりました。
2020年にはAlfresco社を買収、翌2021年4月にはNuxeo社を買収し、日本国内では「OnBase®」を中心に、企業DXを推進する幅広いソリューションサービスを展開しています。
ハイランドソフトウェア 会社概要
会社名 Hyland Software, Inc.
代表 Bill Priemer, President & CEO
日本拠点 〒108-0023 東京都港区芝浦3丁目14-18 キャナルスクエア芝浦2F
社員数 約4,000名(2022年2月現在)
グローバル拠点数 39拠点
事業内容 ソフトウェアの開発・販売およびライセンスの供与
URL https://www.hyland.com/ja-JP
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