2011年11月25日

~株式会社エム・データ、株式会社ホットリンク、鳥取大学共同実施 「大阪ダブル選挙のクロスメディア分析」~ 橋下徹氏vs平松邦夫氏 テレビとネットの露出パターンに顕著な差~空中戦の橋下vs地上戦の平松の様相か

株式会社エム・データ   http://www.mdata.tv/

 

株式会社エム・データ(本社:東京都港区、代表取締役社長:関根俊哉、以下エム・データ)、株式会社ホットリンク(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:内山幸樹、以下ホットリンク)、鳥取大学工学研究科機械宇宙工学専攻応用数理工学講座の石井晃教授の三者が共同で実施している「大阪ダブル選挙のクロスメディア分析研究」のうち、大阪市長選挙の2候補、橋下徹氏と平松邦夫氏を比較する中間報告データがまとまりました。

■中間報告

11月19日までのテレビ報道とソーシャルメディア(ブログやツイッター)での両候補者の露出量を基にした分析では、下記のような傾向が明らかになりました。

■テレビ報道においては、橋下氏の露出量は平松氏の露出量を圧倒的に凌駕しています。

■橋下氏に関するブログ書き込み量は同氏のテレビ露出量の変化とかなりの相関が見られます。テレビ露出量が増えるとブログの書き込みも増え、露出が減るとブログも減少します(図1)。この傾向は、ツイッターの書き込み量ではさらに顕著となっています。

 

■平松氏の場合は、テレビ露出量とブログ書き込み量に相関は見られるものの、テレビ露出量の変動とは関係なくブログ量が増加する場面があります。

また平松氏の場合、テレビ露出量とツイッター量は関係がなさそうです。(図2)

 

■橋下氏は、ブログ量とツイッター量の間にも相関があります。一方、平松氏はブログ量とツイッター量の関係はなさそうです。

■ブログ量だけに注目して二人の候補者を比較すると、選挙公示後は平松氏のブログ量の方が多いことがわかります。(図3)。

 

これらの傾向から推測できるのは、「空中戦型選挙の橋下氏 vs 地上戦型選挙の平松氏」という構図です。すなわち、芸能人的存在で大阪知事時代も数々の派手なパフォーマンスを演じた橋下氏は、テレビでの存在感をテコにツイッターなどの書き込みを誘導して空からメッセージを拡散させるような戦い方-。一方、現職からの再選を目指す平松氏は伝統的な街頭演説や集会・ビラ配布で一票一票を掘り起こす戦い方-。本当にそんな違いがあるかどうかは置くとして、このような推測は二人の候補者のツイッターやブログ書き込み量の傾向の差から導き出せます。

私たちのこれまでの政治情報分析の経験によれば、ツイッターは「瞬間的な思い付きを書き込む情報媒体」であり、一方ブログは「ある程度時間をかけた思考を書き込む情報媒体」という違いがあります。橋下氏のテレビ露出とツイッターにかなりの相関があることから、橋下氏に関心を持つ層がテレビを見て瞬間的に感じたことを書き込んでいるという行動がベースにあると推定できます。さらに同氏のツイッターとブログの相関からはツイッターを見た人々があれこれ考えた末にブログを書き起こしているといった様子が想像できます。一方、平松氏は、テレビ露出とツイッター、ブログとツイッターの間にそれぞれあまり関係がないが、ブログの書き込みは一定して継続しています。平松氏に関心を持つ層はテレビやツイッター以外から得た情報に基づいて考え、ブログを書き起こしているように見えます。

テレビ報道量やソーシャルメディア量のデータは人々の行動に相当の影響を与えている-。大阪ダブル選挙という社会的イベントをサンプルケースとしてメディアと人々の行動の因果関係を数理的に明らかにしてみようということが今回の共同研究の目的です。選挙では、有権者数、投票率、各候補者の得票数といった数値は明確に得られます。そこに、エム・データが保有するテレビメタデータと、ホットリンクが保有するソーシャルメディアデータを組み合わせ、鳥取大学の数理モデルによる社会現象解析アプローチを加えると何が見えてくるのでしょうか。結果は、選挙後のシンポジウムなどで発表していく予定です。

■実施要項

鳥取大学の石井教授が、エム・データが独自に記録する地上波テレビ番組の放送実績データベース(テレビメタデータ)と、ホットリンクが所有する国内最大規模で67億記事を超えるソーシャルメディアの口コミデータベース(クチコミ@係長)を利用して、自身が提唱する「ヒット現象の数理モデル」を応用して、大阪市長選挙の各候補者の優勢予測を行います。本研究では、2011年10月12日から投開票の11月27日までを対象にします。

■研究結果発表会(予定)

タイトル : 「大阪ダブル選挙研究プロジェクト」シンポジウム

日時 : 2011年12月7日(水) 19:00~

場所 : デジタルハリウッド大学 秋葉原メインキャンパス

(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル7階 )

 

主催 : 鳥取大学(予定)、株式会社ホットリンク、株式会社パースペクティブメディア、株式会社エム・データ

後援 : デジタルハリウッド大学

お問合わせ: 株式会社エム・データ 薄井/三富 03-3519-7060/info@mdata.tv

 

◆研究に使用する「テレビメタデータ」とは?

※株式会社エム・データでは、東京・名古屋・大阪地区の地上波テレビ局で放送されたテレビ番組やテレビCMを、テキスト化・データベース化して「テレビメタデータ」を構築しています。当社のデータセンターでは、専属リサーチスタッフが、24時間365日「いつ」「どこで」「何が」「どのように」「何秒間」放送されたかを、当社オリジナルのデータ収集システムを使用しデータの収集を行なっております。新しいメディアが台頭する今日でも、視聴者に対して多大な影響力を有するのがテレビです。テレビメタデータを利用すれば、そんなテレビの放送内容を容易に確認することができます。パブリシティーの検証、映像の検索、ECサイト、ナビサイトでの利用など、テレビメタデータの利用範囲はさまざまなシーンに拡大を続けています。尚、本研究には、このテレビメタデータを利用し様々な集計を行っております。

◆研究に使用する「ソーシャルメディアの口コミデータベース(クチコミ@係長)」とは?

※株式会社ホットリンクが提供する「クチコミ@係長」は、国内のブログ・Twitterなど、膨大な口コミ情報(67 億 7383 万 7935 記事+Twitter、Facebook データ 2011 年11 月25 日現在)をリアルタイムに収集・分析できるソーシャルメディアの分析ASPツールです。本研究では、テレビ報道露出状況とソーシャルメディア上にある口コミの出現状況を相関分析できるクロスメディア分析機能を活用します。(詳細:http://www.hottolink.co.jp/kakaricho/crossmedia.html)

 

■株式会社エム・データについて

株式会社エム・データは、テレビ放送を独自にTVメタデータとして記録する、2006年に設立された調査会社です。主なサービスには、テレビ番組の放送内容を詳細に記録したTVメタデータを提供する「データ配信サービス」、お客様のご要望に応じて行う「放送実績調査サービス」、CMの全放映実績に関する月次レポートの「エムデータCMリポート」、朝夕の報道番組で取り上げた話題をメールで配信する「日刊TVニュース速報」などがあります。

社名 : 株式会社エム・データ (M Data CO.,LTD)

所在地 : 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-16 虎ノ門一丁目MGビル9F

設立 : 2006年1月23日

代表者 : 代表取締役社長 関根 俊哉

■株式会社ホットリンクについて

ホットリンクは、ブログやTwitterをはじめとするソーシャルメディアのモニタリング及びデータ分析を得意とするエージェントテクノロジー企業です。クライアントのインターネットマーケティング活動を先端技術で支援いたします。 主力製品は、国内のブログ・掲示板・Twitterなどソーシャルメディアから投稿される口コミ情報をリアルタイムに収集・分析することができる「クチコミ@係長( http://www.hottolink.co.jp/kakaricho/ )」シリーズです。

社名 : 株式会社ホットリンク

所在地 : 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-26 一ツ橋SIビル4階

設立 : 2000年6月26日

代表者 : 代表取締役社長 内山 幸樹

 

■鳥取大学 石井晃(いしい・あきら) 教授 プロフィール

1957年生まれ。鳥取大学工学研究科機械宇宙工学専攻応用数理工学講座教授。早稲田大学大学院修了。理学博士。

2008年より科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業CREST研究プロジェクト担当研究員。東京大学物性研究所、理化学研究所、統計数理研究所の共同研究員。デジタルハリウッド大学ヒットコンテンツ研究室客員研究員。

宣伝によって生まれるクチコミやその広がり方を予測する「ヒット予測」の研究や、ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する数理モデルの著書「大ヒットの方程式」(吉田就彦、石井晃、新垣久史・著)を執筆。

専門は計算物理学的手法を用いた表面科学。特にナノテクや炭素材料への青色発光デバイス作成、環境調和型触媒、グラフェンなどの理論的研究に取り組んでいるが、最近は物理学の手法を応用したソーシャルメディア解析にも取り組んでいる。

■本件に関するお問合わせ

株式会社エム・データ 営業部

担当窓口: 薄井/三富

TEL:03-3519-7060

E-mail:info@mdata.tv

Web:http://www.mdata.tv/ / Facebook:http://www.facebook.com/MDataJAPAN