2013年03月06日

理想の日本像に関する意識調査2013

日本労働組合総連合会   http://www.jtuc-rengo.or.jp/
理想とする社会像が描かれたアニメや漫画 1位「サザエさん」
 
理想とする社会のイメージ 「子どもの将来に希望が持てる社会」3人に2人
転職のしやすさよりも終身雇用
低負担・低福祉よりも高負担・高福祉
 
現在の生活に『不安を感じる』78.9%、現在の社会に『不満を感じる』は85.1%
東日本大震災からの復興・再生の遅れに『憤りを感じる』7割、政治に『憤りを感じる』8割
不安の源泉 30代では「老後の生活」が7割、10代では「新卒の就職率」が4割半ば
 
3年後の日本は今より好転と予測 4人に1人、男性よりも女性が悲観的
 
日本の成長や発展に必要なもの 1位「政治力」、2位「雇用の安定」
20代では「失敗しても再チャレンジできる環境」が5割強で1位
 
今の日本人が失いつつある日本人の美徳 1位は“礼儀正しさ”
今の日本人に必要なもの 1位は「行動力」、2位「危機管理能力」、3位「柔軟な発想力」
 
身近で活躍して欲しいと思う理想のリーダー像
アニメ・漫画では1位「(麦わらの)ルフィ《ONE PIECE》」、各界の著名人では1位「池上彰さん《報道界》」
理想のリーダー像にあてはまる歴史上の人物 1位「坂本龍馬」
 
“働く場があることは大事だと思う” 9割半ば
“現在の職場で働き続けることは難しい” 有職者の3人に1人
 
働きがいの1位 男性「給与」、女性「自分らしく働けること」
 
連合(日本労働組合総連合会)(http://www.jtuc-rengo.or.jp )(所在地:東京都千代田区、会長:古賀 伸明)は、2010年12月、めざすべき社会像として「働くことを軸とする安心社会」を提起しました。
「働くことを軸とする安心社会」とは、働くことに最も重要な価値を置き、誰もが公正な労働条件のもと多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的・経済的に自立することを軸とし、それを相互に支え合い、自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型の社会をさします。
現在の人々が「理想の日本像」をどう意識しているのか、また、2010年12月に同様の調査(※)を実施してから2年間で人々の意識がどう変わったのかを把握するため、改めて調査を実施しました。
この「理想の日本像に関する意識調査2013」は、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、2013年1月16日~1月21日の6日間において実施し、3,000名(調査対象者:15歳~59歳の男女)の有効サンプルを集計しました。
 
※前回の調査結果(2010年12月実施、2011年1月発表)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/index.html からダウンロードできます。
 
 
 
◆理想とする社会のイメージ 「子どもの将来に希望が持てる社会」3人に2人
◆高収入よりワークライフバランス、転職のしやすさよりも終身雇用
生涯現役よりも安心な老後、低負担・低福祉よりも高負担・高福祉
◆理想とする社会像が描かれた漫画・アニメ 1位「サザエさん」
15歳~59歳の男女(全回答者3,000名)に、「理想とする社会」のイメージについて聞いたところ、同意率(『あてはまる(計)』:「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計)は、【犯罪が少ない社会】では72.5%、【子どもの将来に希望が持てる社会】は66.9%、【自殺者の少ない社会】は62.0%となりました。
格差社会に関連して、同意率をみていくと、【所得による教育格差のない社会】では62.6%、【男女の格差のない社会】は61.2%となり、【地域格差のない社会(都市と地方)】は53.5%でした。親の所得差が子どもの教育環境への差につながっていることが問題になっていますが、所得による教育格差がない社会を理想の社会とする割合が男女格差のない社会を理想とする割合と並ぶ結果となりました。
そして、企業組織に関連して、同意率をみていくと、【従業員が大切にされる社会】で68.2%、【経営者が大切にされる社会】は37.3%、【株主が大切にされる社会】は32.6%になりました。
 
次に、労働環境や格差、社会保障などについて、対になるような社会イメージを提示し、どちらが「理想とする社会」のイメージに近いか聞いたところ、高収入よりもワークライフバランス、転職のしやすさよりも終身雇用、生涯現役よりも安心な老後、低負担・低福祉よりも高負担・高福祉を志向している人が多いことがわかりました。
 
(1)【収入は高いが、残業も多い社会】 と 【収入は低いが、ワークライフバランスのとれた社会】
 『収入は低いが、ワークライフバランスのとれた社会』を『近い(計)』(「非常に近い」と「やや近い」の合計)とする割合が41.5%と、『収入は高いが、残業も多い社会』を『近い(計)』とする割合(23.7%)を上回りました。全体としては、高収入よりもワークライフバランスを重視する人が多い様子が窺えました。
 
(2)【終身雇用が基本の社会】 と 【転職が活発にできる社会】
『終身雇用が基本の社会』を『近い(計)』とする割合が46.7%、『転職が活発にできる社会』を『近い(計)』とする割合が26.9%となりました。転職のしやすさよりも終身雇用を志向している人が多い結果となりました。
 
(3)【生涯、現役で働き続けられる社会】 と 【引退しても老後が安心な社会】
『引退しても老後が安心な社会』を『近い(計)』とする割合(62.9%)が、『生涯、現役で働き続けられる社会』を『近い(計)』とする割合(23.9%)の2倍以上となりました。
 
(4)【お互いに協力し合い、支え合う社会】 と 【個人の力が発揮できる社会】
『お互いに協力し合い、支え合う社会』を『近い(計)』とする割合が59.2%で、『個人の力が発揮できる社会』が『近い(計)』とする割合(15.1%)を大幅に上回りました。
 
(5)【格差はあっても全体的には豊かな社会】 と 【緩やかな成長でも経済格差の少ない社会】
『格差はあっても全体的には豊かな社会』を『近い(計)』とする割合(37.2%)よりも『緩やかな成長でも経済格差の少ない社会』を『近い(計)』とする割合(42.8%)の方がやや高くなりました。しかし、個人年収別にみると、年収500万円以上の層では、『格差はあっても全体的には豊かな社会』を近いとする割合の方が高い傾向となりました。
 
(6)【税金は高いが、社会保障の充実している社会】 と 【税金は低いが、個人の責任が重い社会】
『税金は高いが、社会保障の充実している社会』を『近い(計)』とする割合が60.9%で、『税金は低いが、個人の責任が重い社会』が『近い(計)』とする割合(10.9%)を大きく上回りました。
 
(7)【ハイリスク・ハイリターンな社会】 と 【ローリスク・ローリターンな社会】
『ローリスク・ローリターンな社会』を『近い(計)』とする割合が38.4%で、『ハイリスク・ハイリターンな社会』が『近い(計)』とする割合(13.6%)を大きく上回りました。10代男性についてみると、『ハイリスク・ハイリターンな社会』を『近い(計)』とする割合は28.0%で、『ローリスク・ローリターンな社会』を『近い(計)』とする割合(30.4%)と拮抗する結果となりました。
 
また、全回答者(3,000名)に、理想の社会像が描かれた漫画やアニメを自由回答形式で聞いたところ、「サザエさん」(13.6%)が最も多く、「ドラえもん」(6.6%)、「ONE PIECE」(4.4%)が続きました。
 
◆現在の生活に『不安を感じる』78.9%、現在の社会に『不満を感じる』は85.1%
◆東日本大震災からの復興・再生の遅れに『憤りを感じる』7割、政治に『憤りを感じる』8割
◆不安の源泉 30代では「老後の生活」が7割、10代では「新卒の就職率」が4割半ば
全回答者(3,000名)に、生活や将来に不安を感じるか聞いたところ、【現在の生活】に対しては、「非常に感じる」は35.9%、「やや感じる」が43.0%で合わせると78.9%と8割近くが不安を感じるとし、【自分の将来】に対しては、「非常に感じる」は50.6%で半数となり、「やや感じる」の36.2%と合わせると86.8%が不安を感じるとしました。
【将来の社会】に対しても多くの人が不安を感じているようで、「非常に感じる」は48.6%、「やや感じる」(39.6%)と合わせると88.2%となり、不安を感じるとした人の割合は9割近くになりました。
また、【現在の社会に対する不満】を感じるか聞いたところ、85.1%が現在の社会に不満を感じるとし、【自分の健康に対する不安】を感じるか聞いたところ、不安を感じるとした割合は65.3%になりました。
 
次に、東日本大震災からの復興・再生の遅れや福島第一原子力発電所事故被災地の放射性物質の除染の遅れに対する憤りを感じるか聞いたところ、【東日本大震災からの復興・再生の遅れ】に対しては70.7%、【福島第一原子力発電所事故被災地の放射性物質の除染の遅れ】に対しては73.0%が憤りを感じるとしました。復興予算が被災地復興と関連の薄いところで使われていたことが問題となりましたが、東日本大震災からの復興状況に憤りを多くの人が感じていることがわかりました。
そして、【政治に対する憤り】を感じるか聞いたところ、「非常に感じる」が49.0%と半数近くとなり、「やや感じる」は31.9%で、それらを合わせると80.9%が政治に憤りを感じるとしました。
 
それでは、何が現在の生活や自分の将来の不安の源泉になっているのでしょうか。
現在の生活や自分の将来に不安を感じるとした2,719名に対し、自身を不安にさせているものを聞いたところ、最も多かったのは「老後の生活」で62.7%と6割強に達し、30代で70.9%と7割、40代で77.1%と8割弱となりました。「老後の生活」に続いたのは、「収入」60.9%、「生活費や家計のやりくり」55.5%、「預貯金など個人資産が少ない」53.3%、「税金の負担」51.8%、「日本の財政問題」34.8%が続きました。
年代別にみると、20代から40代までは全体と同じ項目が並びましたが、50代では2位に「身体の衰え、老化、持病」(66.8%)が入りました。また、10代は他の年代とは異なる項目が上位5位を占め、「入学試験などを含む各種試験やテスト」(58.9%)が最多となり、「新卒の就職率」(44.4%)、「地震」(42.7%)、「就職や転職」(42.2%)、「決まらない政治」(38.5%)が続きました。
2010年12月の調査結果と比較すると、選択肢の表現が異なるため単純な比較はできませんが、“税金”(前回の選択肢は「各種税金」、今回は「税金の負担」。)が不安の源泉になっているとした割合が前回の39.6%から51.8%と10ポイント以上も高くなり、少子高齢化の進展などに伴う財政支出の増大や消費税増税が見込まれていることの影響も窺えました。
 
また、現在の社会に不満を感じるとした2,554名に、その原因を作ったのはどの世代だと思うか聞いたところ、「どの世代とはいえない」が48.8%と最多であるものの、「60代以上」が28.2%となりました。
 
◆3年後の日本は今より好転と予測 4人に1人、男性よりも女性が悲観的
◆日本の成長や発展に必要なもの 1位「政治力」、2位「雇用の安定」
20代では「失敗しても再チャレンジできる環境」が5割強で1位
多くの人が現在や将来の生活、社会などに不安を抱えていることがわかりましたが、日本の将来は今より良くなると思われているのでしょうか。全回答者(3,000名)に、1年後、3年後、5年後、10年後、30年後のそれぞれについて聞きました。
まず、1年後についてみると、「非常に良くなっている」は2.3%、「ある程度良くなっている」は16.1%で、『良くなっている』とした割合は18.4%にとどまりました。続けて、3年後以降について『良くなっている』とした割合をみていくと、3年後で25.9%、5年後で36.1%となり、10年後は44.1%、30年後は48.6%になりました。良くなっているとしたのは、3年後で4人に1人、5年後で3人に1人の割合となり、30年後でようやく2人に1人の割合となり、短期での好転に対しては悲観的な見方が多い様子が窺えました。
 
しかし、2010年12月の調査結果では、1年後に『良くなっている』とした割合は8.5%、3年後では17.7%であったことから、今回調査では短期での好転を楽観的に捉えている人の割合はわずかながら上昇しました。
 
今回の調査結果を男女別にみると、女性の方が日本の将来に対し悲観的な人が多いようです。特に5年後までで差が見られ、『良くなっている』とした割合は、1年後:男性24.3%・女性12.6%、3年後:男性32.0%・女性19.8%、5年後:男性40.2%・女性31.9%となりました。
 
次に、日本が安定的に成長や発展をしていくために重要だと思うものを聞いたところ、1位「政治力」(45.5%)、2位「就職率向上や終身雇用など雇用の安定」(44.8%)、3位「労働環境の改善」・「失敗しても再チャレンジできる環境」(同率44.4%)、5位「経済力」(44.1%)が同レベルで上位に並びました。3位の「失敗しても再チャレンジできる環境」は、特に、若い世代に重要視されており、10代では39.8%で2位に、20代では53.5%で1位となりました。
また、50代では、「働くことを軸とする安心できる社会の推進」(46.5%)が1位となりました。
 
◆今の日本人が失いつつある日本人の美徳 1位は“礼儀正しさ”
◆今の日本人に必要なもの 1位は「行動力」、2位「危機管理能力」、3位「柔軟な発想力」
全回答者(3,000名)に、今の日本人が失いつつある日本人の美徳を聞いたところ、「礼儀正しい」(53.1%)が最も多く、同レベルで「心配りや気配りを大事にする」(52.4%)が並び、以下、「人と協力し支え合うことを大事にする」(44.2%)、「人に優しく親切である」・「忍耐強さ」(同率43.5%)、「謙虚である」(41.1%)が続きました。
 
また、美徳以外に、今の日本人に必要だと思うものを聞いたところ、「行動力」(46.0%)が最多で、「危機管理能力」(45.0%)、「柔軟な発想力」(42.0%)、「自己責任意識」(39.2%)、「リーダーシップ」(37.7%)が続きました。
 
◆身近で活躍して欲しいと思う理想のリーダー像
アニメ・漫画では1位「(麦わらの)ルフィ《ONE PIECE》」、各界の著名人では1位「池上彰さん《報道界》」
◆理想のリーダー像にあてはまる歴史上の人物 1位「坂本龍馬」、2位「織田信長」
◆「自由競争を推進するリーダー」への支持を「共生社会を推進するリーダー」への支持が僅かに上回る
次に、理想のリーダー像について聞きました。
全回答者(3,000名)に、2013年に身近で活躍して欲しいと思う理想のリーダー像をアニメや漫画のキャラクター、各界の著名人から選んでもらったところ、アニメや漫画のキャラクターでは、1位「(麦わらの)ルフィ《ONE PIECE》」(23.8%)、2位「島耕作《社長島耕作》」(20.4%)、3位「矢島金太郎《サラリーマン金太郎》」(18.9%)となり、困難に立ち向かい、解決できるキャラクターが上位に並びました。
続いて、各界の著名人についてみると、1位「池上彰さん《報道界》」(34.7%)、2位「北野武さん《映画界》」(27.0%)、3位「尾木直樹さん(尾木ママ)《教育界》」(26.7%)となり、情報発信力がある方や世界から認められている方が上位になりました。
さらに、全回答者(3,000名)に、理想のリーダー像にあてはまる歴史上の人物を自由回答形式にて聞いたところ、「坂本龍馬」(19.3%)、「織田信長」(11.6%)が1位、2位となりました。この二人が、1位、2位になったのは、今の日本人に必要なものは何かとの質問で上位に挙がった「行動力」、「柔軟な発想」、「リーダーシップ」を二人が兼ね備えていたと思われているからではないでしょうか。
 
リーダーを表現する際に、保守的や革新的、タカ派やハト派といった表現が使われることがありますが、全回答者(3,000名)に、上記のような対になるようなリーダー像を提示し、どちらが活躍して欲しいと思う理想のリーダー像に近いか聞きました。
(1)【保守的なリーダー】 と 【革新的なリーダー】
『保守的なリーダー』を『近い(計)』とする割合は20.8%、『革新的なリーダー』を『近い(計)』とする割合は45.8%となり、『革新的なリーダー』が高くなりました。
 
(2)【タカ派的なリーダー】 と 【ハト派的なリーダー】
『タカ派的なリーダー』を『近い(計)』とする割合は29.7%、『ハト派的なリーダーに近い』を『近い(計)』とする割合は15.4%で、『タカ派的なリーダー』を近いとする割合が高くなりました。また、「どちらともいえない」は54.8%でした。
 
(3)【自由競争を推進するリーダー】 と 【共生社会を推進するリーダー】
『自由競争を推進するリーダー』が『近い(計)』とする割合は33.8%、『共生社会を推進するリーダー』が『近い(計)』とする割合は35.2%となり、拮抗するものの僅かに『共生社会を推進するリーダー』への支持が上回る結果となりました。
 
◆“働く場があることは大事だと思う” 9割半ば
◆“現在の職場で働き続けることは難しい” 有職者の3人に1人
◆「職場でのパワハラ」が働き続ける上での障害 6人に1人
◆働きがいの1位 男性「給与」、女性「自分らしく働けること」
◆“生きがいは仕事”で年代差 20代17.5%、50代24.0%
最後に、働くことや生きがいについて聞きました。
まず、全回答者(3,000名)に、働くことに対する意識を聞いたところ、同意率(『そう思う(計)』:「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)は、【働く場があることは大事だと思うか】では95.7%、【非正規雇用(派遣や契約など)ではなく、正規雇用(正社員など)で働くことが大事だと思うか】では71.5%となりました。また、【働くことが好きか】では57.7%、【今後(も)働きたいか】では76.0%となりました。
年代別にみると、【働くことが好きか】や【今後(も)働きたいか】の同意率は、年代が上がるほど高くなる傾向にあり、上の世代ほど働くことに対して前向きな様子が窺えました。
 
次に、有職者(1,896名)に、現在の職場について聞いたところ、同意率は、【現在の職場で自分が大事にされていると思うか】では47.6%と半数以下となりましたが、【現在の職場が好き】では53.1%と半数を超えました。
また、【現在の職場で働き続けたいと思うか】では51.7%、【現在の職場で働き続けることは難しいと思うか】では33.7%となりました。半数以上が現在の職場で働きたいとの意向を示す一方、それが難しいと思っている人の割合は3人に1人の割合と低くはありませんでした。
 
それでは、どのようなことが現在の職場で働き続ける上で障害になると思われているのでしょうか。
現在の職場で働き続けることは難しいと回答した639名についてみると、「賃金」(45.4%)が最も多くなり、以下、「職場の人間関係」(39.4%)、「精神的な問題」(37.9%)、「労働時間・残業」(34.3%)、「仕事上の評価が正当ではないこと」33.5%、「やりがいを感じられないこと」(32.9%)が続きました。「職場でのパワハラ」を働き続ける上での障害と回答している割合は、6人に1人(16.7%)と見過ごせないレベルとなっています。
 
そして、全回答者(3,000名)に、働きがいと生きがいを聞きました。
【働きがい】についてみると、「給与」(57.8%)が最多となり、次いで、「自分らしく働けること」(54.2%)、「達成感」(52.1%)、「自分の成長」(43.6%)、「感謝の言葉」(36.6%)が続きました。
男女別にみると、男性では「給与」(56.7%)、女性では、「自分らしく働けること」(59.9%)が最多となりました。また、「感謝の言葉」では女性(43.9%)は男性(30.8%)より10ポイント以上高くなりました。
 
次に、【生きがい】についてみると、「趣味」(62.9%)が最多となり、次いで、「友人との交流」(44.7%)、「家族団らん」(42.4%)、「お金」(33.6%)、「健康」(30.2%)、「配偶者・パートナー」(29.6%)、「子ども」(29.3%)が続きました。
子どもがいる層の生きがいをみると、「子ども」が最も多くなり68.5%と7割近くになった他、「家族団らん」(53.8%)や「配偶者・パートナー」(44.0%)といった家族との関わりを生きがいとする割合が高くなる傾向がみられました。
また、“生きがいは仕事”とする割合で年代差があり、20代では17.5%、50代では他の年代より高く24.0%と4人に1人の割合となりました。
 
 
 
 
 
《まとめ》
今回の調査では、人々が理想とする社会として「協力し合い支え合う社会」、「収入は低くても、ワークライフバランスのとれた社会」、「税金は高くても、社会保障の充実している社会」を志向している人が多いことがわかりました。このような、協力し合い支え合うことやワークライフバランスを重視することは、連合のめざす「働くことを軸とする安心社会」と軌を一にするものです。
しかし、現状に目を向けると、多くの人々が現在の生活や将来に対し不安を感じています。現在の生活には8割近くが、また自分や社会の将来には9割近くの人が不安を感じています。「日本の将来は今より良くなるか」についても、短期での好転に対し悲観的な見方が多数を占めています。
そのような中、多くの人々が、日本の成長・発展のためには“雇用の安定”や“労働環境の改善”、“失敗しても再チャレンジできる環境”が重要だとしています。また、“働く場があることは大事だと思う”とする人の割合は95.7%にのぼり、人々の働くことに対する認識の高さも明らかとなりました。これらはいずれも、働くことは生活の重要な一部であり、働くことを通じて生活と社会の安心を創りあげていくことが必要なことを示しています。
連合は、これからも働くことに最も重要な価値を置き、誰もが働くことを通じて社会に参加することのできる「働くことを軸とする安心社会」の実現に取り組んでいきます。
 
 
◆調査概要◆
 
◆調査タイトル:理想の日本像に関する意識調査2013
 
◆調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする
15歳~59歳の男女
 
◆調査期間:2013年1月16日~2013年1月21日
 
◆調査方法:インターネット調査
 
◆調査地域:全国
 
◆有効回答数:3,000サンプル(有効回答から3,000サンプルを抽出)
 
◆実施機関:ネットエイジア株式会社(担当:吉田)
 
■■報道関係の皆様へ■■
本ニュースレターの内容の転載にあたりましては、「連合調べ」と
付記のうえご使用くださいますよう、お願い申し上げます。
 
■■本調査に関するお問合せ窓口■■
連合(日本労働組合総連合会)  総合企画局 企画局  担当:加藤
TEL :03-5295-0510
Eメール :jtuc-kikaku@sv.rengo-net.or.jp 
受付時間 :10時00分~17時30分(月~金)
 
■■連合(日本労働組合総連合会) 概要■■
組織名 :連合(日本労働組合総連合会)
代表者名 :会長 古賀 伸明
発足 :1989年11月
所在地 :東京都千代田区神田駿河台3-2-11連合会館
業務内容 :すべての働く人たちのために、希望と安心の社会をつくる