2013年10月03日

「地域のコミュニティと交流」に関する調査

日本生活協同組合連合会   http://jccu.coop/

調査結果のトピックス一覧

==子どものいる家庭の『地域交流の現状』について==
ご近所付き合いは「挨拶を交わす程度」が4割で最多
20代子持ち家庭の6割が「町内会・自治会」で交流なし
ママ友・パパ友など子どもの親同士のお付き合いは20代~40代の5割以上で有り、交流頻度も高めの傾向に
趣味サークルや地域SNSは若年層が地域交流するきっかけに?

未就学児・小中学生の親の1/4が「地域での子育て支援が不十分」

地域のトラブル 1位「騒音」2位「ゴミ出しマナー問題」3位「自動車・駐車トラブル」4位「ペットの飼育トラブル」
集合住宅では「騒音」経験率3割、1都3県では「ゴミ出しマナー問題」経験率3割弱

子育てで地域のつながりを実感!「非常時の託児」や「親同士の交流」で助けられた体験談

==子どものいる家庭の『今後の地域交流』について==
7割の家庭が「地域で助け合える関係が理想」と回答、ご近所付き合いの現状が挨拶程度の家庭でも6割
相互扶助意識広がる可能性 「地域の人と助け合いたい」7割半、 「地域の一員として役に立ちたい」6割
地域交流に足りないのは“触れ合うきっかけ”!? 「地域交流のきっかけが欲しい」6割

助け合い意識が高まったニュースや社会問題「震災」「被災地復興」「孤独死」

「TV番組がきっかけで助け合い意識が向上」4割、「24時間テレビ」や「震災特番」、「あまちゃん」が上位に
映画では「風立ちぬ」や「海猿」、漫画・アニメでは「ONE PIECE」や「NARUTO」が助け合い意識向上のきっかけに

このたび、日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、会長:浅田克己)は、2013年9月6日~9月12日の7日間、子どもがいる20歳~59歳の男女に対し、「地域のコミュニティと交流に関する調査」をモバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)で実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)

調査結果のレポート

==子どものいる家庭の『地域交流の現状』について==
◆ ご近所付き合いは「挨拶を交わす程度」が4割で最多

◆ 20代子持ち家庭の6割が「町内会・自治会」で交流なし
◆ ママ友・パパ友など子どもの親同士のお付き合いは20代~40代の5割以上で有り、交流頻度も高めの傾向に
◆ 「趣味サークル」や「地域SNS」は若年層が地域交流するきっかけに?
20~59歳の子どもがいる男女(全対象者:1,000名)に、どの程度のご近所付き合いがあるかを聞いたところ、「挨拶を交わす程度」との回答が4割(41.5%)で最も多く、続いて「世間話(天気の話など)をする程度」が3割(29.2%)なりました。普段からご近所さんの助けを得たり、相談したりといった関係性を築いている方は少数派で、「生活面の話や相談(子育ての話や買い物のお得情報など)をする関係」は1割半(14.9%)、「生活面の協力(子どもを預ける、日用品を貸し借りするなど)をする関係」は1割以下(7.1%)となっています。

それでは、地域コミュニティでの交流状況はどうなっているのでしょうか。
地域コミュニティごとの交流状況について聞いたところ、≪町内会・自治会≫で『交流がある(計)』割合(「月に1回以上」+「年に数回程度」+「年に1回以下」、以下同様)は5割半(55.9%)、≪地縁による会(婦人会や老人会、青年団、子ども会など)≫では3割半(34.7%)となりました。
これらの地縁から発生するコミュニティで『交流がある(計)』割合は若年層ほど低い傾向がみられ、≪町内会・自治会≫では20代は4割(39.6%)、30代は5割強(52.4%)、≪地縁による会≫では20代は2割半(23.6%)、30代は3割半(35.6%)となっています。若者との接点がない、といった悩みを抱えている地域の団体も多いのではないでしょうか。
他方で、子どもを介したコミュニティのつながりは若年層においても比較的多くみられ、≪子どもの親同士のお付き合い(ママ友・パパ友、子育てサークル、PTA)≫で『交流がある(計)』割合は5割弱(48.3%)と町内会・自治会に次いで高く、年代別に見ても、20代~40代の『交流がある(計)』割合は過半数(20代50.4%、30代59.6%、40代53.6%)に達しています。“子育て”という共通のテーマがきっかけになるためか、若年層も地域とのつながりを持ちやすいのかもしれません。また、交流の頻度は「月に1回以上」が17.4%と、他のコミュニティよりも定期的に交流を保っている割合が高くなりました。
そのほかのコミュニティをみると、≪地域にある趣味の会≫で『交流がある(計)』割合は19.8%、≪地域密着型のSNS≫は11.1%となりました。これらのコミュニティで交流がある割合は1~2割とそれほど高くないものの、年代別で大きな差は見られなかったことから、20・30代も他年代と同程度、これらのコミュニティを地域交流に活用している様子が窺えます。“趣味サークル”や“地域SNS”などは、若者が地域社会と接点を持つきっかけになる可能性がありそうです。

◆ 未就学児・小中学生の親の1/4が「地域での子育て支援が不十分」
◆ 地域のトラブル 1位「騒音」2位「ゴミ出しマナー問題」3位「自動車・駐車トラブル」4位「ペットの飼育トラブル」
集合住宅では「騒音」経験率3割、1都3県では「ゴミ出しマナー問題」経験率3割弱
◆ 子育てで地域のつながりを実感!「非常時の託児」や「親同士の交流」で助けられた体験談
続いて、所属する地域コミュニティに対する問題意識を聞いたところ、「地域での交流自体が希薄」と感じる方が3割(30.1%)、「地域での子育て支援が不十分」と感じる方が2割(20.7%)みられました。また、“子育て支援が不十分”と感じる割合は未就学児の子どもがいる家庭(26.1%)や小中学生の子どもがいる家庭(26.0%)でより高くなりました。

次に、最近(ここ3年程度の期間)経験した地域のトラブルを聞いたところ、上位にあがったトラブルは「騒音トラブル」(21.9%)と「ゴミ出しマナー問題」(21.5%)が2割、「駐車スペース・接触などの自動車の問題」(15.1%)と「ペットの飼育マナー問題」(14.4%)が1割半となりました。“騒音”については集合住宅に居住する方の3割(29.9%)、“ゴミ出しマナー”については一都三県に居住する方の3割弱(27.9%)がトラブルを経験しているようです。

また、子育てにおいて、地域のつながりのおかげで助けられた体験談を自由回答形式で募ったところ、“急用・非常時の託児”や“子育ての相談”、“親同士の交流”などの面で助けられた、といった回答が多くみられました。
そのほか、「小学校の評判が事前にわかって良かった」(40代男性)や「インフルエンザの予防接種の予約方法を教えてもらって助かった」(30代女性)などの“情報交換”に関する体験談や、「近所のおじさんやおばさんと挨拶することで子どもが自分から挨拶をする姿を見られるようになってきた」(20代女性)といった“声かけ・挨拶習慣”に関する体験談、「町内会の焼肉大会の時に近所の方々が、普段見ることのできない子どもの姿などを教えてくれた」(30代男性)といった“近所の目”に関する体験談など、多様な体験談が寄せられました。

 

==子どものいる家庭の『今後の地域交流』について==
◆ 7割の家庭が「地域で助け合える関係が理想」と回答、ご近所付き合いの現状が挨拶程度の家庭でも6割
◆ 相互扶助意識広がる可能性 「地域の人と助け合いたい」7割半、「地域の一員として役に立ちたい」6割
◆ 地域交流に足りないのは“触れ合うきっかけ”!? 「地域交流のきっかけが欲しい」6割
ここまで、地域交流の現状についてみてきましたが、地域住民は今後の地域交流をどのようにしていきたいと感じているのでしょうか。
今後、どのような地域関係が理想か聞いたところ、「日常生活で助け合える関係」が24.9%、「防災・防犯面や非常時には助け合える関係」が43.5%となり、合わせて7割(68.4%)の方が『助け合える関係(計)』が理想と回答しました。
年代別では、20代・30代は「日常生活で助け合える関係」が3割(それぞれ29.2%・29.6%)で他年代より高く、40代・50代は「防災・防犯面や非常時には助け合える関係」が5割(それぞれ48.0%・50.4%)で他年代より高くなる特徴がみられました。
また、現状のご近所付き合いの程度別にみると、挨拶をする程度の層でも、6割(59.5%)が『助け合える関係(計)』が理想と回答しており、挨拶をする程度の関係しか築けていない方も、現状に満足しているわけではなく、その多くが地域とのつながりを強めたい・作っていきたいと求めている様子が窺えました。

続いて、今後の地域交流に関する意識について聞いたところ、≪地域の人と助け合いたい≫の項目に対して、『そう思う(計)』(「非常に」+「まあ」、以下同様)と回答した方が7割半(74.0%)、≪地域の一員として何か役に立ちたい≫では6割(59.5%)となりました。地域の人に助けて欲しい、との思いだけではなく、地域社会に貢献したいという、相互扶助の意識がみてとれ、お互いがお互いを助け合うコミュニティが広がっていく可能性が示される結果となりました。
また、≪交流の範囲(人数・分野)を広めたい≫との意識を抱いている方は6割(58.8%)、≪より親密な交流がしたい≫では4割(41.7%)となりました。特に、20・30代では、≪より親密な交流がしたい≫との意見が他年代に比べて高く(20代47.2%、30代47.6%)なりました。
さらに、≪地域で暮らす人が触れ合うきっかけが欲しい≫の項目に対しては、6割(58.8%)が『そう思う(計)』と同意しており、どの年代も6割前後となっています。助け合いの意識が高まっていても、実際に交流を持つためにはきっかけが必要だと考える方が多数のようです。

◆ 助け合い意識が高まったニュースや社会問題「震災」「被災地復興」「孤独死」
◆ 「TV番組がきっかけで助け合い意識が向上」4割、「24時間テレビ」や「震災特番」、「あまちゃん」が上位に
◆ 映画では「風立ちぬ」や「海猿」、漫画・アニメでは「ONE PIECE」や「NARUTO」が助け合い意識向上のきっかけに
地域での助け合いの大切さについての意識が高まる背景には、どのようなきっかけがあるのでしょうか。
最近(ここ3年程度の期間)、助け合いの意識が高まった(芽生えた)きっかけになったものは何か聞いたところ、【ニュースや社会問題】の分野では、「東日本大震災」(60.3%)が最も高く、次いで「被災地の復興状況」(36.3%)、「孤独死」(32.2%)、「水害など各地の災害」(27.4%)、「少子高齢化」(23.2%)、「無縁社会」(13.0%)が続きました。震災などの自然災害や被災地の復興に関するニュース、人と人とのつながりが希薄になった結果生まれた孤独死問題のニュースなどが耳目に触れることで、助け合いの意識が強まったり芽生えたりしたようです。
また、【身近な出来事や体験】の分野では、「自身や親しい人の入院・闘病」(13.4%)や「家族や親しい人との死別」(13.2%)、「自身や親しい人の出産」(11.6%)がきっかけとなって助け合いの意識が高まった(芽生えた)との意見が多くなりました。
さらに、映像や文章などの【作品】の分野では、「TV番組」が最も高く4割(39.7%)、以下、「映画」(8.7%)や「漫画・アニメ」(5.8%)が続きました。
これらの助け合い意識が高まった作品について、その作品名を自由回答形式で募ったところ、TV番組で最も多かった回答は「24時間テレビ」(85件)、次いで、「震災の特番」(49件)、「ニュース」(46件)、「あまちゃん」(15件)と続きました。そのほか、映画では「風立ちぬ」(4件)、「海猿」(4件)、「ALWAYS 三丁目の夕日」(3件)、「少年H」(3件)などが挙げられ、漫画・アニメでは「ONE PIECE(ワンピース)」(11件)が最多回答で、「NARUTO」(5件)、「サザエさん」(3件)が続きました。

 

■■調査概要■■
◆調査タイトル :「地域のコミュニティと交流」に関する調査

◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする
子どもがいる20歳~59歳の男女

◆調査期間 :2013年9月6日~9月12日

◆調査方法 :インターネット調査(モバイルリサーチ)

◆調査地域 :全国

◆有効回答数 :1,000サンプル
*有効回答から各性年代が均等になるよう1,000サンプルを抽出

◆調査協力会社 :ネットエイジア株式会社

 

■■報道関係の皆様へ■■
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■■本調査に関するお問合せ窓口■■
日本生活協同組合連合会 広報部 広報グループ
担当 :矢野、亀田
TEL :03-5778-8106
Mail :pr@jccu.coop

■■日本生活協同組合連合会 概要■■
名称 :日本生活協同組合連合会
代表者名 :会長 浅田 克己
創立 :1951年3月20日
本部所在地 :東京都渋谷区渋谷3-29-8 コーププラザ