株式会社シオン(所在地:岩手県矢巾町 代表取締役:石川 公一郎)は、2012年にリリースした純国産天然油性自然塗料「U-OIL(ユーオイル)」を活用し、2015年2月より 「国産材(とりわけ間伐材)に付加価値を向上させるコラボレーション」を開始いたしました。衰退する日本の林業に新しい風を吹き込めるよう進めて参ります。
【 取り組みの背景 】
■ 衰退する日本の林業に異業種からなにかできないか
当社のある岩手県は県土の約75%が森林と言われ、林業が身近な県です。
近年第一次産業の衰退が危惧される中、「農業」は食に対する安全意識の高まりや、おいしさの追求から関心も高く、就農を目指す若い人も増えている状況です。
一方、「林業」をみると、木が食のように身近なテーマとなっていないこともあり、関心も低く、いわゆる衰退の一途をたどっております。
そんな中、当社はあくまでも木部に使う自然塗料のメーカーでありますが、岩手県をはじめとする国産材を活用して自社製品の開発を行ってきたことから、異業種からではありますが、なにか日本の林業のためにできることはないか模索しておりました。
■ カラーは売れ筋のみラインナップし、木の面白さを追求しなかった売り手の責任
木部保護塗料メーカーの商品をみると、ほとんどがオーク、ブラウンといった売れ筋のカラーのみラインナップしております。これは、あまり売れないカラーは在庫に持ちたくないという塗料メーカーをはじめとする売り手の都合によるものです。
そのようなこともあり、木はどれも一緒、違いもないから面白味もない、そんな状況が元々木の民族である日本人を木から遠ざけてしまったのではないでしょうか。
そんな中、当社は小さいながらメーカーであり、これまでの塗料メーカーのような大量生産大量消費を前提とせず、小ロット多品種を目的とした新しいビジネスモデルを構築しております。
原材料のみ在庫で持ち、注文を頂いてから製造する、いわゆる完全受注生産型の塗料メーカーとなっております。
当社においては、売れ筋のみを大量に製造するという発想はなく、お客様が求める色を適宜提供することが可能です。
そこで、当社は他の塗料メーカーがなしえない取り組みとして、古民家再生用の古色系カラー、奇抜な赤、青、黄色といった原色カラー、淡いパステルカラー、さらに和風をイメージした藍色、朱色、鶯色等々、誰がどう使うのかわからないようなカラーも作り、ラインアップにすることにしました。
これらはカラー見本のみ作成し、実際の製造は注文を頂いてからになりますので、カラーのラインナップはある意味無限に可能となっております。
【 コラボ実現 】
上記のようなことを背景に、カラーのラインナップを充実させ、国産材を取扱う製材所、木工所とのコラボを模索しておりました。
そんな中、杉材の表面を焼いて炭化させ、耐火性と耐久性を高めた「焼杉(やきすぎ)」を手掛ける(株)フォレストフィーリング様(静岡県浜松市)と出会い、この焼き杉にカラフルな塗装をすることで、
① 部屋の1ポイント装飾 ② 店舗の内装 ③ ショールームの壁 ④ 保育園
というような場所で、カラー塗料が活用されるチャンスを掴み、この度このような取り組みを開始することにしました。
この塗装された焼き杉は「UROCO(うろこ)」という名称で販売されております。
この「UROCO」ですが、無塗装で販売していた当時はさほど需要がなかったのですが、カラー塗装をしたことで、東急ハンズ等での販売がスタートし、今では天竜杉の付加価値商品となっております。
「カラー+デザイン力」で、国産材の付加価値はまだまだ高まると感じております。
<左から①部屋の1ポイント装飾 ②店舗内装 ③ショールームの壁等の事例>
【 今後の展望 】
2015年1月よりU-OILのハードタイプ(屋外用)において、全66色をラインナップしました。
その中で、とりわけ評価が高く、日本人の心に響くと言われているのが、「和風藍色」です。
これまで木部保護塗料で和風を意識した「藍色」が使われることはほとんどありませんでしたが、利用者の想像力と創造力により、今までなかった「木部塗装の演出」が見られることになると思います。
そして、今後の展開として以下のようなことを考えております。
① インテリアコーディネーター、デザイナーとのコラボにより、「今までにない新しいカラーによる塗装」、「あえて古さを演出するエイジング塗装」等の組み合わせを実現し、新しい木部塗装あり方を模索する。
② 設計士と協力し、新築、リフォーム現場で今まで使われなかった新しいカラーを施した案件を増やす。
③国産材(とりわけ間伐材)+当社自然塗料によるデザイン性を追求したガーデニンググッズの開発。
④組み立てると1mの立方体サイズくらいの大きさになる木を使った日本の城のプラモデルの開発。
⑤ゆくゆくは、日本の伝統文化の象徴である茶室のキットの開発。
茶室のキットにおいては、2020年の東京オリンピックにて展示を兼ねた出展を行い、選手、観戦客が日本の木の文化に触れることができる機会を作って参りたいと考えております。
< カラーバリエーションを活用した壁面の事例ならびに雑誌チルチンびと3月号当社(藍色の例)>
【 お問い合わせ先 】
株式会社 シオン
〒020-0891 岩手県紫波郡矢巾町流通センター南3-8-1
TEL 019-677-7060 FAX 019-637-3190
ホームページ http://www.xion.co.jp/
メールアドレス info@xion.co.jp
担当 石川 公一郎 / 藤田 悠