東京工芸大学 写大ギャラリー(所在地:東京中野区)では、2012年11月24日(土)から12月24日(月)まで、発信する風景「ルイス・ボルツと柴田敏雄」を開催します。
ルイス・ボルツの作品「Near Reno」はアメリカ・ネバダ州・Reno近郊の人間の手によって開発され取り残された荒れ地を被写体にして自然と文明の関係を冷静な目で記録した作品です。
柴田敏雄の作品「日本典型」シリーズは、日本の豊かな自然とそこにくい込む開発の痕跡が形づくっている景観を大型カメラで大胆かつ繊細に捉え、精緻なプリントで提示した作品です。
両者の表現は大きく違って見えますが、彼らの景観を題材にしたスタンスや視点は、一方は現実的な生活空間としてあるがままに冷徹に開発の荒涼とした跡を描写した作品であり、他方は空間を美的造形処理により開発された跡を際立たせる手法で緻密に描写した作品で、文明という名の下に変容させられた風土への関心を示した、従来の風景写真からは距離を置いた表現となっています。
今回はルイス・ボルツの「Near Reno」と柴田敏雄の「日本典型」から抜粋した作品24点をご覧頂きます。
タイトル : 発信する風景「ルイス・ボルツと柴田敏雄」
会 期 : 2012年11月24日(土) ~ 2012年12月24日(月) 10:00 ~ 19:00
会期中無休
会 場 : 写大ギャラリー (東京工芸大学・中野キャンパス内)
〒164-8678 中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL 03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分
入場料 : 無料
展示作品 : モノクロ写真作品 24点
主 催 : 東京工芸大学芸術学部
作家略歴
ルイス・ボルツは1970年代から活動を始め75年ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真博物館で開催された「ニュー・トポグラフィックス」展の出品作家に選ばれました。この展覧会は、既存の伝統的な風景写真ではなく新たな動向に焦点を絞り、ドラマチックではないありふれた場所や、人間が生み出した建築や構造物のある風景などの写真展でした。ボルツは、その代表的作家として70年代後半から80年代にかけて国際的に注目されることとなり、若い世代の写真家たちに影響を与えました。
柴田敏雄は1980年代から写真に取り組み、88年にツァイトフォトサロンで開催した個展「日本点景-On the Spot」は、日本の山間部に姿を見せている砂防ダムなどの造成地とその周りの自然景観を大型カメラで捉えたシリーズです。このシリーズは、日本における新たな風景写真として注目され、翌89年(平成1)の「日本典型――Quintessence of Japan」、91年の「柴田敏雄・日本典型/解読の試み・展」と続き高い評価を受け、92年に木村伊兵衛写真賞を受賞し、同年、写真集『日本典型』も刊行されました。
作品クレジット
NearReno3 / ルイス・ボルツ
新潟県北魚沼郡湯之谷村 /柴田敏雄
【本リリースに関するお問い合せ先】
東京工芸大学 学事部広報課 電話 : 046-242-9600/ FAX046-242-9638
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