
地方活性化を目的とした山梨県富士川町のまち育てプロジェクト「まちいくふじかわ」が、2016年3月より本格スタートいたします。当ニュースレターでは「まちいくふじかわ」のこれまでの経緯と、今後の計画をご紹介いたします。
【目次】
第一章:「まちいくふじかわ」とは
第二章:プロジェクト発足のきっかけ
第三章:新たなビジネスモデルへ
第四章:目指すは21世紀の本菱
第五章:プロジェクトメンバーの紹介
【第一章】「まちいくふじかわ」とは
120年前の日本酒復活プロジェクト「まちいくふじかわ」
「まちいくふじかわ」は、“ダイヤモンド富士”でも有名な山梨県富士川町で、120年前まで作られていた幻の日本酒『本菱』を復活させ、町の活性化を目指す、地域活性プロジェクトです。
2016年3月より約1年の期間、ブランド開発から米づくり、酒づくりを行い、2017年3月の商品化を目指します。
「まちいくふじかわ」では地方再生予算に頼らず、自分たちの手で商品開発から販売までを実施します。プロジェクトメンバーには、クラウドファンディングなどを活用し、地域マーケティングや町のブランディングに携わりたいという町民以外の方を積極的に取り入れ、“復活させて終わり”ではないビジネスモデルとして、永続可能なモデルを目指しています。
WEBサイト:http://www.machi-iku.com/
2015年11月よりクラウドファンディングでメンバーを募集し、現在59名のサポーターから計60万円を超す資金が集まっています。いよいよ3月よりプロジェクトが本格スタートします。
「本菱」復活までのスケジュール
「まちいく」とは「街に行く人を増やす」という意味と「街を育てる」の2つの意味を込めています。まずは、当社にゆかりのある山梨県富士川町を題材に、地元の企業の協力を経て、120年前に消えた日本酒「本菱」を復活させるプロジェクトからスタートし、今後は富士川町だけでなく、さまざまな市町村への展開も考えています。
【第二章】「プロジェクト発足のきっかけ」
きっかけは納屋で見つけた120年前の刻印
富士川町は株式会社むすび代表の深澤了が生まれ育った町でもあります。かつては舟運で栄え、商店や宿などで溢れかえっていた富士川町ですが、少子化の影響もあり、今や昔の面影もなく人口減少に歯止めがきかない状態が続いています。
故郷富士川町に帰省する度に、様変わりしていく街並みに寂しさを覚えていた深澤はある時、かつて酒蔵として使われていた実家の納屋で、『本菱』と掘られた2つの刻印を見つけます。詳しく調べてみると、この刻印は120年前に使われていた日本酒ラベルの刻印だということが分かりました。
「このお酒が飲まれた時代は、この町はどんな風景だったのだろう」「このお酒の復活と共に、街にも活気を取り戻せないものか」「自治体予算に頼らずに地域再生はできないものか」
刻印を見るたびにこうした思いが募り、2015年、自身の独立を機にプロジェクト化を思い立ち、地元醸造店や酒米農家の協力を得て「まちいくふじかわ」がスタートしました。
120年前に使われていた「本菱」の刻印 富士川町にある深澤了の実家の納屋で発見
【第三章】「新たなビジネスモデル」
自治体予算に頼らない地域活性モデルを作りたい
地域活性に関しては、予算の少ない市町村にとっては、地元有志による草の根的な活動に頼るしかなく、ボランティア参加ゆえ、その継続性に問題がありました。
こうした問題を解決するため、「まちいくふじかわ」では、地域ブランディングや酒造り体験を希望する参加者を町内外から積極的に募集し、プロジェクトメンバーとして参加してもらいます。
参加者へは、体験型イベントとしてコンテンツを提供する他、地域ブランディングのノウハウなども提供。同時に町外のスタッフの意見やアイディア、スキル、知恵などを「本菱」の商品化に活かすことで、富士川町の発展に繋げていく循環型地域活性モデルとなっています。
商品化以降も「本菱」を復活させるだけではなく、町内の継続的なビジネスモデルとなり、町民の収益モデルとなるよう戦略を組み立ててまいります。
【コラム】富士川町ってどんな町?
富士川町は山梨県南巨摩郡にある人口15,942名の町です。
今から400年程前、徳川家康の富士川開削の命により、鰍沢から岩淵までの水路が開通。ちょうど信州往還と駿州往還の交わる地点に位置していた鰍沢は、この開削によって富士川舟運の要衝地となり、舟運で栄え商店や宿などでも溢れかえっていたそうです。
山梨県唯一の桜の名所百選
2010年に増穂町と鰍沢町が合併し富士川町となりました。旧鰍沢町には、山梨県唯一の桜の名所百選、大法師公園があります。約2000本の桜が咲き乱れる姿は圧巻であり、県外からも多くの人が訪れます。
【第四章】「目指すは21世紀の『本菱』」
120年前の「本菱」をただ再現するのではなく、現代のニーズや趣向に合わせた21世紀の「本菱」を作り上げます。
伝統と現代のニーズを融合させた、新たな地域銘産を生み出し、富士川町の観光資源とし、街の活性化を目指します。
【第五章】プロジェクトメンバーの紹介
深澤 了(ふかさわりょう)
むすび株式会社 代表取締役
まちいくふじかわプロジェクト発起人代表
ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター/コピーライター
1978年生まれ。山梨県富士川町(旧鰍沢町)出身。早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店のアドブレーン社制作局にて、CMプランナー/コピーライター。その後、株式会社パラドックスへ。多くのブランド開発~CI/VI、ネーミング、スローガン、各種ツールや広告制作までを手掛ける。2015年3月、早稲田大学ビジネススクール修了。同年4月、むすび株式会社設立。まちいくプロジェクトを立ち上げる。
発起人のコメント
「私の実家は現在の富士川町(旧鰍沢町)にあり、富士川舟運で街が栄えた頃、酒屋を営んでいました。そこで作っていた酒が『本菱』です。今回、私たちは誰からも頼まれていません。勝手に立ち上げ、勝手に新しい地域資産を作ろうとしています。『本菱』を活用し、町内外を巻き込んだプロジェクトにすることで、地域活性の新しい枠組みをつくりたいという想いがあります。酒蔵が多かった町の歴史を見ても、今回の取り組みがきっと、富士川町らしい新たな地域資産になると確信しています。」
中込元一郎(なかごめげんいちろう)
株式会社萬屋醸造店 代表取締役社長
山梨県富士川町在住。寛政2年(1790年)から続く萬屋醸造店の代表。地元の米、水にこだわった酒造りを大切にしている。与謝野晶子の愛した酒「春鶯囀」は、山梨を代表する地酒のブランド。蔵を改造し、酒蔵ギャラリー六斎「カフェコクリコ」も運営。近年では、海外展開も積極的に行う。ワンドリーズ名執氏とともに、講談社「もやしもん」プロジェクトや山梨学院大学との日本酒共同開発なども行う。
名執雅之(なとりまさゆき)
株式会社ワンドリーズ 代表取締役社長
山梨県富士川町在住。酒米の栽培をはじめ、元JA勤務の経験を元に数多くの農作物の栽培を手掛ける。社訓は「若者が自らやりたくなるような農業」を実践すること。萬屋醸造店の中込氏とともに、講談社や山梨学院大学との日本酒共同開発などを行う。
●地域再生に興味がある
●ブランディング手法を学びたい
●町おこしを自分たちの手で実践してみたい
●自分たちの手でブランドを立ち上げて(復活させて)みたい
●日本酒やお酒が好き
●自分でゼロから酒造りを体験してみたい
といった方々は、ぜひお気軽にご参加ください!途中参加も可能です。
【「まちいくふじかわ」プロジェクトスケジュール詳細(予定)】
2016年 3月:オリエンテーション/富士川町の歴史/蔵見学・講義/チーム作りなど
4月:大法師桜まつり見学/プレゼンテーション/酒を作る水/米の種類①/酒米づくり
5月:強み・弱み/顧客は誰か/田植えの注意/米の種類② 他
6月:(苗の発育状況・天候を見て)田植え/プレゼンテーション
7月:顧客のビジュアルコラージュづくり/競合設定と選ばれる理由/価値を考える
8月:価値規定のプレゼンテーション(味・香り・価格・感情・社会など)/本菱の性格設定
9月:顧客設定③/資産の整理/コンセプトの設定
10月:(稲の発育状況や天候を見て)稲刈り/ポジショニングマップ発表/ラベル検討
11月:バリューチェーン上での強みと弱みの整理/クリエイティブ・ブリーフを考える
12月:クリエイティブ・ブリーフ発表/醸造体験①/刈り取った稲でしめ縄づくり
2017年 1月:プロモーション戦略発表・検討/醸造体験②
3月:プロモーション実践の報告
4月:記者発表(予定)/完成披露試飲会
<会社概要>
社名 むすび株式会社
代表者 代表取締役 深澤 了
所在地 〒153-0063 東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場2F_g1
設立日 2015年4月6日
事業内容 企業・商品/サービス・採用市場におけるブランドの開発・育成
URL http://www.musubi-inc.co.jp
【本ニュースレターに関する報道関係者からのお問い合わせ先】
むすび株式会社 担当:横内
TEL: 03-5437-0667 FAX:03-5437-0668
Email:info@musubi-inc.co.jp