来る8月3日は「はちみつの日」です。「はちみつの日」は、1985年に、日本養蜂はちみつ協会と全日本はちみつ協同組合により「8(はち)3(みつ)」という語呂合わせから、記念日として制定されました。
株式会社山田養蜂場(本社:岡山県苫田郡鏡野町 代表・山田英生)は、 約70年にわたり養蜂業に従事し、ミツバチ産品を製造してきたリーディングカンパニーとして、「はちみつの日」を機会に、栄養豊富で古代から世界中で親しまれてきた「はちみつ」についての基礎知識などを発信してまいります。
◆いにしえのころより親しまれてきた「はちみつ」
はちみつは世界最古の甘味料といわれています。紀元前6,000年頃のスペイン東部のラ・アラーニャ洞窟の壁には「はちみつを採取する人々の姿」が描かれており、紀元前5,000年頃の古代エジプト時代から養蜂家が職業として成立していた記録が残されています。古代ギリシアでも養蜂の記録が残っており、古代ローマでは商業的養蜂が成立していました。
日本では、はちみつは古くから高貴薬として扱われ、9世紀の末には国内各地から宮中に献上されていました。12世紀後半に養蜂が行われるようになり、江戸時代には養蜂が盛んに行われるようになりました。
◆「はちみつ」ができるまで
ミツバチは集団で生活しており、 1つの巣箱には一匹の女王バチと数千匹~数万匹の働きバチ(メスバチ)とオスバチが住んでいます。花の蜜を採りに行くのは働きバチの仕事で、1回の採蜜飛行で500近くの花を訪れ、自分の体重の半分ほどの蜜(40mg程度)を持ち帰ると、また蜜を探しに飛び立ちます。天気の良い日は、1日に10回以上も食料を探しに出かけることがあります。
巣に戻ってきた働きバチは、巣で待っている働きバチ(内勤蜂)に、胃に蓄えた花蜜を口移しで渡します。内勤蜂は受け取った花蜜を巣穴に出します。そして、35度という暖かい巣箱の中で、羽ばたいて風を送り、さらに口でかき混ぜて水分を蒸発させます。その後、糖度が80度近くになるとミツロウで巣穴に蓋をし、完熟したはちみつが出来上がります。
完熟はちみつは、働きバチの体内に含まれる酵素の働きで、花蜜のショ糖が単糖類のブドウ糖と果糖に分解されてできるため、体内に吸収しやすく胃腸への負担が少ない良質な甘味料です。
さらに、養蜂家による、以下の行程を経て、私たちが口にするはちみつの完成です。
燻煙
オガクズなどを燃やした煙でミツバチをおとなしくさせる
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蜜蓋の切り取り
巣箱から巣板を取り出し蜜蓋を切り取る
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遠心分離機
巣板ごと遠心分離機にはめ込んで回転させ、はちみつを弾き飛ばす
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はちみつの採集
網などでこして瓶などに入れて出来上がる
◆花の種類により香り・味が異なる「はちみつ」
はちみつは、蜜源となる花の種類などにより色・香り・味わいが異なります。産地によって植生環境が違い、はちみつの特長も異なります。甘さの違いや味の濃さ、香りの違いなどそれぞれに特長があり、料理に適したもの、お菓子に適したもの、パンや果実酒に適したものなど、食べ物・飲み物との相性もさまざまです。当社では、蜜源の環境を重視し、国内外を問わず、最適な蜜源を見定め、良質なはちみつを生産しています。「アカシア」「ローズマリー」「ヒマワリ」「菜の花」「そば」など、花・産地の違う約20種類の天然のはちみつがあります。
◆ルーマニア産はちみつ ~輸送時の徹底した品質管理~
当社では、ルーマニア産のはちみつを、高級ワインを運ぶ際と同じ環境で輸送しています。通常のコンテナで運ぶと、赤道直下で船室内が60℃以上になり、高温ではちみつが劣化し味や香りが損なわれてしまいます。当社は、高級ワインを運ぶのと同じように、定温(20℃)で保つことができるコンテナを利用して輸送することで、風味を保ち、味の劣化を防ぐことに取り組んでいます。
◆「はちみつ」は優れたエネルギー源
はちみつの糖分は、約40%がブドウ糖(グルコース) 、約50%が果糖(フルクトース)です。ブドウ糖は体内に入るとすばやく吸収されエネルギーに変換され、果糖はブドウ糖より長い時間かけて体内に取り込まれます。早く体内に吸収され、長く効率よくエネルギー源になるはちみつは、健康づくりや効率的なエネルギー補給に優れています。また、脳のエネルギー源はブドウ糖のみのため、脳へのエネルギー補給にも優れています。
糖以外にもはちみつには、ビタミンや鉄、アミノ酸など栄養素が多く含まれており、抗菌や歯石予防などに優れ、傷口の回復などを助ける役割を果たします。
【はちみつの主な成分】
糖 グルコース・フルクトース・マルトース
有機酸 グルコン酸・クエン酸
酵素 ジアスターゼ ・ホスファターゼ
ビタミン ビタミンC・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB12・ナイアシン
ミネラル ナトリウム・リン・鉄・カルシウム・カリウム・マグネシウム・銅・亜鉛・マンガン
アミノ酸 バリン・ロイシン・イソロイシン・アラニン・アルギニン・リジン・アスパラギン酸・
グルタミン
酸・プロリン・スレオニン・メチオニン・ヒスチジン・フェニルアラニン・チロシン・
グリシン・セリン
ポリフェノール カフェ酸・クマル酸・フェルラ酸・ケンフェロール・クリシン・ケルセチン・p-ヒドロキシ安息
香酸・バニリン酸・バニリン・シリングアルデヒド・ガランギン
◆ミツバチが作り出す高栄養食品「ローヤルゼリー」「プロポリス」「花粉荷」
はちみつの他に、ミツバチが作り出す自然の恵みとして「ローヤルゼリー」「プロポリス」「花粉荷」などがあります。
◆ローヤルゼリー
女王蜂を、働き蜂の2~3倍の大きさに育て、約30~40倍の寿命と毎日1,000~1,500個も卵を産み続けるチカラをもたらす源になっているのが、ローヤルゼリーです。女王蜂とその幼虫だけに与えられるローヤルゼリーは、9種類の必須アミノ酸を始め、タンパク質・ビタミン・ミネラルなど40種類以上もの栄養素をバランスよく含む、高栄養食品です。
◆プロポリス
プロポリスは、抗菌作用のあるハーブの樹脂や新芽などを原料にし、ミツバチの唾液や花粉などを混ぜて作り出されます。プロポリスにはアルテピリンCをはじめ、 p-クマル酸、フラボノイド、各種ビタミン、ミネラルなど、健康維持に有用な成分が含まれています。なかでもブラジル産のグリーンプロポリスは、その多様な成分に関する単独、および複合的な健康価値が高く評価、期待されてます。
◆花粉荷
ミツバチが花を訪れた際に体についた花粉を集め、巣に持ち帰ったものです。ローヤルゼリーのもととなり、タンパク質、食物繊維、ビタミンなどの栄養素がバランス良く含まれています。
◆株式会社 山田養蜂場 会社紹介
1948年に、創業者の山田政雄が徳島で養蜂業を開始したのが始まりです。1960年頃には、創業者が病身の娘の健康回復を願って本格的なローヤルゼリーの研究、生産を開始しました。また、主力である通信販売は、1990年頃から大きく伸長した事業です。
現在では、ローヤルゼリーや、プロポリス、はちみつなどのミツバチ産品、そしてローヤルゼリーエキス配合の化粧品“RJスキンケアシリーズ”など、400種類以上の商品を製造、販売しています。
商号 : 株式会社 山田養蜂場
所在地 : 岡山県苫田郡鏡野町市場194
創業 : 1948年5月
設立 : 1982年8月
資本金 : 1億円
代表取締役 : 山田英生
業務内容 : ミツバチの飼育及びミツバチ製品
の原料仕入・研究・開発・製造・通信販売
◇本件に関するお問い合わせ◇
株式会社山田養蜂場 文化広報室 武本(tt1794@yamada-bee.com) ・関(ts0975@yamada-bee.com)
〒708-0393 岡山県苫田郡鏡野町市場194 TEL:0868-54-1906 FAX:0868-54-3346