2020年01月31日

シェア電動キックボードサービス 「WIND」、千葉市での実証実験期間を一年延長 〜更なる公道走行での質の高い実証に向けて〜

Wind Mobility Japan株式会社   https://jp.wind.co/
世界30都市でシェア電動キックボード事業を展開するWind Mobilityの日本法人、Wind Mobility Japan 株式会社(本社:東京都港区、代表:及川 克己) と千葉市は、実証実験の実施期間を当初の2019年7月2日〜2019年12月31日から2020年12月31日まで1年間の追加延長を致しました。

本期間延長の目的は、2019年に実施した半年間の公道(車道)並びに限定空間(私有地)での実証実験の結果を踏まえて、より「具体的」で「直接的」な「公道」走行上のあるべき要件を追加検証するためであり、利用者の公道走行上の安全面の担保、キックボードの機体基準や走行場所なども含めた更なる実証課題の検証のためです。なお、2019年3月から実施中のさいたま市浦和美園エリアでの公道走行の電動キックボードの実装によるシェアリングサービスは今後も継続・充実をしていきます。

更に、当社が昨年実施致しました千葉市やさいたま市での公道走行シェアリングサービスや限定空間(私有地)での試乗会の利用者アンケートをもとにした現時点でのラーニングや一部データの報告を以下の通り致します。
千葉市での実証実験の利用者の全体概要(#1, #2, #3)

  • 試乗会アンケート結果(千葉市内の限定空間での試乗会、並びに、市川市の公道での走行試乗会(#4, #5)
  • 試乗会アンケート結果の比較(限定空間走行と公道走行)とまとめ(#6)
  • 当社のシェア電動キックボード利用者(千葉市並びにさいたま市浦和美園)を対象としたアンケート結果(#7)
  • 今後の方向性策定への意味合いと仮説(#8)

#1) ステーション数:8箇所(千葉市、稲毛海浜公園3箇所・海浜幕張駅4箇所・稲毛海岸駅1箇所)
  • 利用ユーザー数:347名
  • 累計ライド数 :454回
  • 平均ライド時間:34.5分
#2) 男女比・年齢比・居住地のサマリー(千葉市)

 

コメント:

  • 女性の2割を超える公道利用は当初予想よりも多かった。
  • 利用者の年齢層は20代から40代で約9割強となった
  • 県外からの利用者が全体の4割を超えた。現状、全国で実施している公道シェアサービスはさいたま市エリア、千葉市エリアの2か所のみであり、来街者による試乗目的が多かったと推察される。

 

#3) ユーザーの移動経路データ(千葉市、ジオフェンス。一部、2019年7月/9月/11月のデータ)

コメント:

  • 2019年7月のサービス開始時点(左図)、9月時点(中央図)から11月時点(右図)へと時系列に従ってのステーション数の増加と共に移動数と移動経路の拡大が見られた。
  • 海浜幕張駅周辺や海岸通り沿いの道路を含め、主要移動経路が色の濃さで識別が出来る。
  • まちづくり計画、MaaS、今後のステーション候補地なども本ヒートマップから効果・効率的にプランが可能

 

#4) 試乗会アンケート結果(千葉市、区画された限定空間である私有地での試乗イベント)

千葉市動物公園、花見川緑地交通公園の2箇所一部区画にて、免許保持・非保持者 合計110名の10代〜70代の男女が試乗体験。車体は「グローバルモデル」とし、対象者など参加条件(中学生以上)は同じで設定。

利用満足度と今後の期待度

  • 乗り心地については 91.8% の方々が「とても良かった」・「良かった」と回答
  • 実際の利用については 83.6% の方々が「ぜひ利用したい」・「利用したい」と回答

コメント:

  • 10代から70代までの全試乗者のほとんどの方は一回のガイダンスで試乗走行が出来た。
  • 初試乗者には最初に乗り方の指導が必須と思われた。
  • 区画が限定された空間での試乗のため、試乗に集中出来、また、試乗自体を楽しむ声が多かった。

操作性と安全性について

  • 操作性については 80.0% の方々が「とても簡単」・「簡単」と回答
  • 安全面については 6.4% の方々が「あまり安全ではない」と回答
  • 「安全でない」の回答は無し

コメント:

  • Wind 2.0を使用したため、アクセルとブレーキがどちらも「レバー」操作であることと操作感に躊躇があった。
  • 特にブレーキの操作に戸惑った方々がアクセルと比べて多かったと感じた。

スピードについて

  • 59.1% の方々が「ちょうどいい」と回答
  • 31.8% の方々が「少し早い」「早い」と回答

コメント:

  • 千葉市動物公園では最高時速を15km/hに設定。また、交通公園での試乗会は最高時速を19km/hに設定した。
  • 限定された空間内での走行は公道のような他に併走する車両等が無いため、相対的なスピード感が少し早く感じたと推察される。

希望走行場所について(複数回答)

  • 最も多かった回答は「自転車レーン等の指定された場所」の 57.3%。限定空間での走行環境と近い環境が選ばれたのではないかと推測される。
  • 車道走行は14.5% に留まった。

コメント:

  • 限定された区画内での走行環境と同様または類似した場所での走行の想定や希望は自然なものと思われる。

 

#5) 試乗会アンケート結果(市川市、ルートを定めた公道での試乗イベント)

市川市「道の駅いちかわ」に隣接する公道にて、合計177名の20代〜70代の男女が試乗体験。対象者の条件は同じで設定し、車体は「原付モデル」とし、前半はWIND2.0、後半は3.0にて試乗会を実施。

利用満足度と今後の期待度

  • 乗り心地については 95.5% の方々が「とても良かった」・「良かった」と回答
  • 実際の利用については 88.2% の方々が「ぜひ利用したい」・「利用したい」と回答

操作・安全性について

  • 操作性については 92.7% の方々が「とても簡単」・「簡単」と回答
  • 安全面については 7.3% の方々が「あまり安全ではない」と回答、「安全でない」の回答は無し

スピードについて

  • 63.3% の方々が「ちょうどいい」と回答
  • 26.6% の方々が「少し遅い」「遅い」と回答

希望走行場所について(複数回答)

  • 最も多かった回答は「自転車レーン等の指定された場所」の 54.2%
  • 「車道」の割合は全体の回答数の内、37.9% となり、「歩道」の割合が最も低い 21.5%

 

#6) 試乗会アンケートの全体まとめ(「限定空間」での試乗と「公道」での試乗の利用者フィードバックの違い)

全体として年代・性別に関わらず、満足度や期待度、車体の操作性や安心度は高い結果となった。一方、走行環境に応じて、スピードや想定する走行場所への感じ方に違いが見られる結果となった。

実際に公道走行する場合は、車と並走することになるため、「スピード」の相対的なギャップを感じる方が一定数いた

コメント:

  • 試乗会イベント会場でのコメントは、公道(車道)を実際に走行するためには、現在の時速スピード(最大19km/h)では遅いのでは?というものであった。
  • 車道での走行は私有地のそれと比較して走行に対する高い緊張感があり、車などが併走する環境では、よりスピードを上げないことには相対的に逆に危険ではないか?という意見が会場で寄せられた。
  • 一方、車道を走行しない、安全上限定区画された私有地での試乗会では同じ時速でも少し早いのでは?という逆の意見もあった。併走する車両への注意や相対的なスピードからくる安全性への懸念が実感されたのでないかと推察される。

専用レーンへのイメージが両方とも最も高いが、限定空間と公道での試乗の走行環境の違いに応じて「期待する走行場所」のイメージが異なる結果となった

 

#7) WINDの公道走行シェア電動キックボードサービスの利用者アンケート(さいたま市・千葉市の両市でのユーザー)

WINDの実装する「公道走行シェアリングサービス」を一度でも利用したことのあるユーザーの内(さいたま市・千葉市両地域)、20代〜50代の男女52名からアンケートを取得。通常の満足度調査に加え、実際の走行者からの走行環境や電動キックボードの操作性、安全性に対する検証を目的に項目を設定した。

乗り心地・操作性について

  • 乗り心地、操作性については試乗会同様満足度が高く、問題なく利用できている割合が高い
  • 実際のサービス利用時は案内スタッフがいないため、慣れるまでの時間についても設問を設けたが、大半が問題なく乗れている結果となった

 

走行環境(車道)の安全面、スピード、希望走行場所について

  • 下の左表にて「あまり安全でない、安全でない」を選択した理由の自由記入欄を確認すると、車との速度差があることにより、安全と感じなかった方の割合が最も多く(20名中10名)続いて、車と併走すること自体に不安を感じる方が多かった(20名中4名)。車との併走に対して「走行環境の安全面」の不安を感じた方が、全体の約40%となる。
  • 上記の結果とその理由については、下の中表のスピードの設問にて60%強が「遅い」と感じたことや、下右表の利用希望場所にて「車道」が最も低く、「電動キックボード専用レーン」の選択が50%程度いることからも読み取れる。

電動キックボードの安全面・装備について
安全面や装備は問題ないと考える層の方が多い結果ではあるが、一定数改善を求める声もあった。
電動キックボードの安全面や、装備に対して最も多かった意見は右左折時の対応についてであり「手旗信号がバランス的に難しい」「ウインカー」が欲しいという意見が、全体の36%(22人中8人)を占めた。
その他の意見としては、サイドミラーの機能性や、段差の衝撃の緩和、荷物を入れるカゴの必要性についての意見等があげられた。

自転車との比較

  • 自転車と比較しての安全性、操作性、乗り易さ、障害物の回避は、概ね過半数が電動キックボード優位の認識あり。
  • また、全利用者はアクセル・ブレーキ共にレバー操作版での走行のため、次世代版Wind3.0での走行で認識は大きく変わる可能性がある。

ヘルメットの着用と運転免許取得者の走行への影響について

  • ヘルメットの必要性は、シェアリングの利便性の観点から不要(31%)、必須では無いが推奨すべき(39%)、必須(31%)となり、過半数が必須・推奨すべき、となった。
  • 実際の公道(車道)走行を経験した利用者が電動キックボードでの走行には運転免許の有無で走行に差が出ると回答。

 

#8) 現時点で考えられる公道走行の今後の方向性への意味合い並びに想定される追加実証ポイント(仮説、案)

①実証実験の方向性(公道走行での実証を最優先とすること)

  • 上記の異なる利用場所・環境での利用者アンケート(限定空間及び公道での試乗、公道でのシェアサービス経験者)の結果から、「公道」でのシェアサービスを通じた実証実験が最も最終的な実態に沿った、直接・効果/効率的であると判断できることから、引き続き、公道でのシェアサービス実証実験において実証課題を検証する。

②運転者要件

  • 安全な走行を担保する上で、交通ルールや他の車両の通行規制などの基本的な知識が必要である。

③走行場所

  • 限定空間(私有地扱い)での試乗や公道走行経験者共に、車道以外では専用レーンでの走行を希望。
  • 欧米での昨今の歩道を含めた事故件数の増加に伴い、歩道での走行は推奨されない。
  • 専用レーンや自転車レーン(追い越し無し)が歩道走行を代替するものと考えられる。

④機体スペック等

  • 公道走行者の意見として、現状の走行速度(時速最大19km/h)が適当と感じる一方で、スピードが遅い、他の車両速度と相対的にかえって危険、との意見も一定数あることから、走行速度を引き上げた検証(例、欧米での主流である、時速20-25km/h)も必要と考える。
  • 安全走行の観点から、悪路の振動の伝達を軽減するものが望ましいと思われる。
  • 昨今、ナンバー無登録の公道走行が散見されており、外部からの高い視認性のある確認の方法の検討が必要と考えられる。
  • 万一の走行時の事故に備えた、機体への保険証や緊急連絡先などの情報の添付が必須と思われる。

参考:主な公道用の実装サービスと実証実験の沿革
2019年3月:さいたま市浦和美園エリアで国内初となる公道走行用の電動キックボードの実装によるシェアリングサービスを開始。
2019年7月:千葉市(国家戦略特区)と共同による実証実験をスタート。千葉市稲毛海浜公園内での実装(園内に3ヶ所のステーションを設置)。
      千葉市動物公園内にて無料試乗会を実施。
2019年8月:千葉市海浜幕張駅周辺に3ヶ所のステーションを追加設置。
2019年9月:千葉市動物公園にて電動キックボードを利用した国内初の動物公園内ツアーを実施。
      三井不動産レジデンシャル株式会社が管理する幕張ベイパーク内で試乗体験会を開始。
   10月:海浜幕張駅周辺に新たに1ヶ所ステーションを増設。
      東日本旅客鉄道株式会社が実証実験に参画、JR稲毛海岸駅に新たにステーションを設置。
2020年1月:千葉市での実証実験期間を1年間延長し、更なる実証課題を検証(2020年12月31日まで)。

WINDの概要と利用方法
■運営時間:9:00~18:00
■利用対象:18歳以上(原付1種運転免許保持者)
■利用料金:
 ▼スタンダード料金
  ・ロック解除100円+25円/1分
 ▼ライドパス料金(サービス提供時間内に限る)
  ・1時間パス 850円/時間
  ・1日パス 2,000円/日
■バッテリー駆動時間:フル充電で約60kmの走行が可能
※ヘルメットは本体に付属(利用無料)されています。

<利用方法>
①専用アプリをダウンロードしてユーザー登録
②各ステーションのスクーターの近くでアプリを起動
③アプリで運転免許証情報を入力しロックを解除して運転開始
④終了時は各地のステーションに戻しロックをかければ終了です
iPhoneアプリ:https://apps.apple.com/jp/app/wind-smart-e-scooter-sharing/id1247826304
Androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.zen.zbike

※運転時には専用アプリにてクレジットカードと運転免許証の登録作業が必要となります。
※必ず運転免許証を所持し、ヘルメットを着用した上で運転してください。
※自賠責保険の書類はバッテリーの外側に装着されています。
※道路交通法を遵守し、万一の事故の際は警察・救急等へすみやかに通報し、損害保険会社へ連絡してください。

Wind Mobility Japanは、ベルリンを拠点としたシェア電動キックボードのサービスを提供しているWind Mobilityの日本法人です。

Wind Mobility Japan 会社概要 
会社名           Wind Mobility Japan株式会社
代表            代表取締役 及川 克己
設立            2018年4月6日
所在地           〒105-6021 東京都港区虎ノ門 4-3-1 
              城山トラストタワー21F
電話(カスタマーサポート) 005-3132-0031(9:00~18:00)
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