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■コストだけでなく技術開発に拡大しつつあるサイマル活動は
クルマの技術革新を創るアイシン精機の生産技術とは
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研究開発に比べると地味なイメージを持たれがちな生産技術ですが、生産技術は世界を変えるイノベーション創出の担い手であったりします。工程設計、生産性検討をするだけにとどまらなくなった生産技術開発の世界を、『Tech総研』編集部はアイシン精機、蜂須賀譲二氏のインタビューを通してお届けします。
自動車部品大手のアイシン精機は、研究開発と生産技術の協同体制を重んじるメーカーの一社です。
同社は生技センターを設置(生技とは生産技術の略称)していますが、生産性検討や工程設計をやる他の部署とはかなり性格が異なっています。
その生技開発部で量産にまだ至らない先行部品の開発を手掛けている開発第二グループ・蜂須賀譲二氏はこう語っています。
「いろいろな分野のエキスパートが多数在籍し、産学協同研究や他社との共同開発などの案件も多い、きわめて開発色の強いセクションです。私も生産技術エンジニアですが、ライン編成や設備仕様の策定はどちらかと言えば苦手で、そのぶん研究開発を頑張っています」
蜂須賀氏はこれまで数々の開発案件に関わり、ブレイクスルー技術創出をうながしてきました。
その中でも思い出深いもののひとつとして蜂須賀氏が挙げるのは、クルマの安全装備であるアンチロックブレーキシステムの油圧ポンプ用モーターをコンパクト化することに成功した優秀な多くの担当者たちです。夢を描いてチャレンジした結果、製品の容積1cm3あたりのモーターの出力密度は従来品に比べて一気に50%以上上がりました。
「これ以上の小型化は原理的に不可能というレベルの寸法を達成しました。モーターの小型化で重要なことのひとつに、ケース内部のデッドスペースをどれだけ減らせるかということがありますが、われわれの超小型モーターはその隙間がほとんどありません」
本レポートでは、同社の軟磁性粉末を使った成形品の成功、ボディの軽量化技術の課題、欧州を中心に広がっている素材などについても詳しくレポートしています。
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