2012年11月14日

アバゴ・テクノロジー、10Gリンクのコストを最小化するアクティブ光ケーブル製品を発表

アバゴ・テクノロジー株式会社   http://www.avagotech.co.jp/pages/home/
アバゴ・テクノロジー株式会社 (本社:東京都目黒区、代表取締役社長:米山周) は、本日、アクティブ光ケーブル(AOC:Active Optical Cable)シリーズの新製品として、SFP+/QSFP+/CXPのそれぞれに対応したソリューションを発表しました。ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)やデータ・センターなどの用途に最適な製品です。いずれもアバゴ独自の技術を活用したものであり、アクティブ銅ケーブルを使用する場合に比べて、10Gリンクのコストを低減することが可能です。また、これらの製品を利用することにより、アクティブ銅ケーブルを使用する場合と比べて、通信性能の向上、軽量化、ケーブル管理作業の簡素化を図ることができ、さらには100mに達する距離を高いデータスループットで相互接続することが可能になります。
 
アバゴ・テクノロジーではAOC向けに多彩な製品ラインアップを用意しています。今回、10GbE(Gigabit Ethernet)向けのSFP+製品、40GbE向けのQSFP+製品、150G向けのCXP製品を追加したことで、そのラインアップがさらに強化されました。これらのAOC製品は、銅ケーブルに代わる強力なソリューションとして、光ファイバならではのメリットを提供します。AOCは、ケーブル端に電気‐光変換機能を有するコネクタを備えているため、従来の銅ケーブルで採用している標準的な電気インタフェースと互換性があります。また、コネクタとコネクタの間には光ファイバを使用するため、銅ケーブルを使用する場合と比べて、より高い速度で、より長い距離のデータ伝送が可能になります。
 
アバゴ・テクノロジーの光ファイバ製品事業部担当製造ラインマネージャのシャロン・ホールは、「当社のAOCの新製品は、プラガブルな広帯域光技術における当社の先進性をより強固にするものです。当社の実績のある設計技術/製造技術を適用した新製品を採用していただくことにより、従来は銅ケーブルしか利用されていなかった広範な市場への参入機会が広がることになります」とコメントしています。
 
クラウド・コンピューティングをはじめとするITシステム分野では、広帯域化や用途拡大にかかわる要求がますます強まっています。AOCは、そうしたニーズに応えるものであり、データセンターやサーバー・ファームで使われる各種機器、公衆通信交換システム、ネットワーク・スイッチなど、高速データ伝送を要する高性能組込みアプリケーションに適した最新のソリューションです。システム・アプリケーションの例としては、データ・アグリゲーション、バックプレーン通信、独自プロトコルによる通信、その他の高密度/広帯域アプリケーションが挙げられます。
 
市場調査会社のLightCounting社は、AOCの市場が2015年までに約1億米ドルの規模まで成長すると予測しています。同社データセンター相互接続部門の上級バイスプレジデントで産業分析を担当するブラッド・スミス氏は、「当面、AOCの主な市場は、HPCや、InfiniBandを利用するスーパーコンピュータの分野となるでしょう。ここ数年は、スイッチ・レイヤー間の接続にイーサネットを利用するデータセンター、あるいは長距離伝送を要するDWDM(高密度波長分割多重方式)システムや企業/事業所内のルータを相互接続する通信アプリケーションでAOCの採用が進んでいます」と述べています。
 
SFP+/QSFP+タイプの新製品は、いずれもアバゴの新たな組込み光エンジン「AtlasTM 75X」を採用した製品です。同エンジンは、銅ケーブルを使用する場合に比べて極めて高い性能を実現するとともに、より大きなコスト削減を可能にしています。一方、CXPタイプの新製品は、実績のある光エンジン「AtlasTM 77X MicroPODTM」を採用しています。このために、より長いデータ伝送距離に対応可能であるとともに、DMI(デジタル診断モニタリング・インタフェース)機能など、個別トランシーバによる低コストのソリューションで使用されるすべての機能を利用できます。
 
旧来のアプリケーションでは、銅ケーブル直結方式(DAC:Direct Attach Copper)が利用されていました。しかし、より高いパフォーマンスが要求される今日のアプリケーションには、DACでは対応できなくなってきています。一方、DACに対して大きな優位性を持つAOCであれば、そのような課題に対応可能です。例えば、DACの場合、ビット誤り率(BER)は10-12のレベルとなります。それに対し、アバゴのAOC製品を使用すれば、10-15という優れた値を達成できます。このことは、DACではビット・エラーが1~2分間に1回発生するのに対し、アバゴのAOC製品を使用すればビット・エラーを1日に1回以下に抑えられるということを意味します。また、AOCでは、高周波のEMI(電磁妨害)成分が存在するのはプラガブル・モジュール内に限られ、ケーブルを伝搬するのは光信号のみです。このことから、AOCでは、DACよりも高いEMI耐性を得ることができます。 また、10Gの伝送の場合、DACでは伝送距離は最大でも5mをわずかに超える程度にとどまりますが、AOCを使用すればSFP+/QSFP+の場合で20mの伝送距離を実現できます。さらに、AOCではケーブルの重量がDACの約25%に抑えられます。しかも、ケーブル径は小さく、最小曲げ半径も30㎜となり、DACに比べて高い柔軟性が得られます。このような特徴を持つことから、アバゴのAOC製品を利用すれば、高密度の光相互接続に対するより高度な要求に応えることが可能になります。
 
 
*製品の特徴*
 
● Atlas 75X光エンジンを備えるSFP+タイプの組込みAOC
 
– ケーブル長は最大20m
 
– 消費電力は275mW/コネクタ(代表値)
 
これはSFP+ MSAトランシーバを使用する場合の1/2以下の値に相当する
 
– 主な用途は、10GbE、8Gbpsのファイバチャネル、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)
 
 
 
● Atlas 75X光エンジンを備えるQSFP+ タイプの組込みAOC
 
– ケーブル長は最大20m
 
– 消費電力は1.1W/QSFP+ コネクタ(代表値)
 
– 主な用途は、40GbE、InfiniBand(40G-IB-QDR、20G-IB-DDR、10G-IB-SDR)
 
– ブレイクアウト・ケーブルは高密度10GbEアプリケーションをサポート
 
 
 
● Atlas 77X MicroPOD光エンジンを備えるCXPタイプの組込みAOC
 
・10.3125Gbps、12.5Gbpsのバージョンがあり、いずれも最大12レーンに対応する
 
・ケーブル長は最大100m
 
・DMIをはじめとするすべてのトランシーバ機能
 
・主な用途は、100GbE、InfiniBand(QDR×12)、PCI Express Gen3、独自プロトコル
 
 
*アバゴ・テクノロジー社*
 
*日本法人: アバゴ・テクノロジー株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:米山周)*
 
アバゴ・テクノロジーは、通信、産業、民生向けアナログ・インターフェース機器のグローバルリーディング・サプライヤです。当社の主力製品は、アナログ、ミクスドシグナル、オプトエレクトロニクスの部品やサブシステムなど多岐にわたっています。ターゲット市場は、インダストリアル/自動車、情報通信 / エンタープライズ・ネットワーク、そして携帯電話/ワイヤレス・コミュニケーションの3つの主要マーケットに、高機能そして高品質製品を提供しています。また、世界中に技術サポートおよびカスタマーサービス拠点を有し、お客様をサポートしています。アバゴ・テクノロジー技術革新の伝統は、50年前のヒューレット・パッカードに遡り、そしてアジレントの時代から受け継がれてきたものです。詳しくは当社のウェブサイトwww.avagotech.co.jp をご覧ください。
 
Avago、Avago Technologies、Aのロゴ、Atlas、およびMicroPOD
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*本件に関するお問い合わせ先(報道関係者):*
アバゴ・テクノロジー株式会社
コーポレート・マーケティング&コミュニケーションズ          カルデラ久美子
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kumiko.caldeira@avagotech.com